エリナと翼
□第9章
1ページ/7ページ
眠れない夜を過ごして朝ベットから起き上がるとカレンダーが目に入る。
今日の日付に赤で丸がつけてあり、その下に大会と書いてあった。
こんな状態で大会に出られるのかと一瞬不安になる。
俺は確か午後からだったから、午前中はエリナの様子を見ようと決めた。
とりあえず着替えて下に降りていく。
「あら、翼早いわね」
母親が朝食の準備をしていた。
「眠れなくて。今日午前中はエリナの様子みるから」
「そう。じゃあお父さんの車で一緒に行ったら?」
「そうする」
ここでサーフィンはどうするのとか言わないところが母親のいいところだと思った。
朝食を食べ終えて、父親の車で行こうと玄関を出ようとすると姉貴が起きてきた。
「あ、エリナちゃんのとこ行くの?サーフィンの道具はあたしが持っていってあげるから直接海岸いきなね―」
たまにはいいことをしてくれる。
「サンキュー姉貴。行ってきます」
「早く行けー」