エリナと翼
□第1話
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だから、この引っ越しがかなり嬉しいらしい。
その後2時間ほど母親は一人で話したあと、やっと私たちは解放された。
そしてバタバタした1週間がすぎとうとう引っ越しの日がきてしまった。
引っ越しの日、仲の良かった友人二人が来てくれた。
一人は、結衣。もう一人は幼馴染の亮だった。
「せっかく一緒の高校になれたのに・・・。
でも、ま、頑張って!!何かあったらすぐ連絡してよね。」
「うん。ありがと、結衣!」
「エリナ〜!!引っ越しなんてやめて俺と一緒に・・ッテ!!」
私のこぶしが亮の頭に落ちる。
「はっは〜ん。254回目のエリナからの鉄拳!!よかったね、亮。」
「うるせー!!結衣!!」
「おい、エリナ。そろそろ行くぞ。」
兄が声をかけてきた。
「はーい。じゃあね。2人とも元気で。また連絡するから。」
「りょーかい!!エリナも元気で!!」
こうして私は生まれ育った土地を離れた。