エリナと翼
□第8章
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「あ〜あ。この雨は長く降りそうだね。どうする翼、帰るか?」
エリナはもう帰ってしまったのだろうかと考える。
「エリナ来るかもしんねーからもうちょっといる」
もう少し残りたい気持ちが大きかった。
「そか。じゃ俺帰るね。
これから冷えそうだし、雨も強くなりそうだからね。お前も早く帰れよ」
「ああ」
そういうと健悟は雨の中を駆け出していった。
一人残って雨を眺める。
エリナと出会ってからまだ1ヵ月もたっていない。
だけどあいつと初めて出会ったとき他のやつらとは違う感じがした。
好きという感情は分からないが、別に一緒も苦にならない相手だった。
そんなことを考えていると、いつの間にか時間が過ぎている。ケータイの時計を見ると、さっきから2時間はたっていた。
さすがにもう来ないだろうと思い、雨の中走って帰った。