世界と夢の狭間
□天候たちの逃亡劇!!
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「ぶっちゃけさー、俺疲れちゃった」
「「「は?」」」
並高で一番快適であろう場所、応接室に了平とランボを除く守護者たちは大集合していた。
珍しいことに群れることを雲雀が許しているのは、それはまぁここにいる皆が互いに苦労な目にあっているから。
要は、ここにいる守護者たちは愚痴を言い合っていたのだ。
そんな中で次期ボンゴレ十代目ボス沢田綱吉は、盛大なため息をつきながら冒頭にある言葉を言った。
守護者たちは目が点になり、ツナはだってさー、とそれを気にも止めずに話を続ける。
「考えてもみてよ。
前まではあんなにキャーキャーワーワー俺を崇めてた連中が、急に態度を変えて世間一般でいうイジメをしてくるんだよ?
それを俺はわざわざ優しく受け流してやってるのに、それが分からないバカ共は調子に乗って付け上がるしさ。
正直言って面倒になってきた」
「じゅ、十代目……。
そのお気持ちは痛いほど分かりますが……面倒ということは、もう手加減ができないということっスか…?」
「この状態が続いたらそうなるかもね。現にほら。学校だっていうのに俺ったら本性出ちゃってるし!」
「それは元からでしょう。
最近人がいなくなれば本性出しまくりの出まくりじゃないですか」
「だって、精神が限界なんだもん☆どうしよう俺。末期かな」
「いい(精神)病院僕が紹介してあげようか?」
「()内聞こえてるからね雲雀さん」
「よっし!ツナ、俺が牛乳瓶奢ってやるよ!」
「ごめん、脈絡全くないから意味分かんないよ山本」
はは!と明るく笑う山本に、確かに…、と頷く守護者一同。
それに呆れたように、骸が大きくため息をついた。
「確かに……いい加減我慢の限界なのは分かります。僕も限界ですからね。
限界通り越してもはや冷静ささえ最近欠いている状態です」
「あぁ……、この前君のクラスの人間が気絶していたのはそのせいか……」
「何やってんだ骸……」
「仕方ないでしょう?ありきたりでつまらない悪戯をこの僕にするからですよ」
にーっこり、と微笑む骸に、若干青ざめる獄寺。
相手は術士。
何か幻覚でも見せたのだろうかと考えるが、骸のことだ。
見事な百倍返しでもしたのだろう。
「あ、じゃあさ骸。一つ頼んでいいか?」
「山本武が僕に何を頼むと?」
「俺さー、最近野球部の連中にイラついてんだよなー。何かしようにも、暴力はダメだろ?
だから幻術ならいいよな!って思って★」
「ちょ、黒くないですか!?最近ちらっと見るようになったなとは思いましたが、自分の部活仲間に幻術してくれとか…!」
「部活仲間というか、ただ部活が同じなだけだしなー。もう楽しいとか思えねーし」
「え、なに?山本何かされたの?またあの雌豚?」
「んー、まぁそうだな」
ツナの言う雌豚の本名は、アーリ・テヌール。
詳しく細かいことは後々説明するとして、簡単に説明すると、守護者たち全員がものの見事にアーリ・テヌールに嵌められたのだ。
アーリは、可哀想な悲劇のヒロインを気取り、守護者たちは悪役に仕立て上げられた。
初めは些細なことだったのだ。
ツナにボンゴレを譲ってほしいと申し立て、断られた腹いせにツナをまず陥れる。
それからはもう早かった。
守護者をものにしようとアタックしたアーリだったが、見事玉砕。
怒り狂ったアーリは守護者までもを嵌めたのだ。
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