世界と夢の狭間

□天候たちの逃亡劇!!
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「あいつの言葉を鵜呑みにして俺たちに制裁をしようとしてくる奴らさ……最近増えてない?なんかもう学年、教師問わずだよね」


「?、僕は特に被害ないけど」


「「「(そりゃあ風紀委員長だもんなぁ……)」」」



むしろ風紀委員長に何かやろうものなら、風紀委員が束になって制裁をしに来るだろう。

というか風紀委員長直々に咬み殺されるのは目に見えているのに、死の冒険をしようというやつがいるはずがない。



「まぁ、応接室前に風紀委員を見張りにつけないと、部屋の中を荒らされるようにはなったけどね」


「荒らされたんですか?」


「一回ね。防犯カメラに映ってから病院送りにしてやったよ。あと、家の方にも連絡を入れた。
今度したら退学させるし職なくすよってね」


「「「(容赦ねー……)」」」



ニヤリと笑う雲雀を見て、思わず同情してしまったツナたち。

病院送りということは何本かの骨は見事に折れているのだろう。
そういえばクラスメートで入院したやつがいたような、と思い出しかけたが、思考をそこで停止させておく。



「(俺が心配することはないしね)」


「ところで十代目。これからどうしますか?状況は悪くなるばかりですし、証拠を掴もうにもなかなか尻尾を掴めません……」


「僕も証拠を手に入れようと動いているのですが、ボンゴレの血を一応受け継いでいるだけあってなかなか本性を出しませんね」


「僕の情報網にもなかなか引っ掛からない。バカだと思っていたのになかなかやるみたいだね」



三人の言葉に、そっかー、と返すツナ。

リボーンまでもがアーリの味方をしていて、つい先日ボンゴレに今回のことを全部報告したと伝えられた。
ということは、今日か明日には返事が来るはず。

リボーンの言葉を鵜呑みにしたならば、運がよくて次期十代目の後継者から外されるか、運が悪くて殺されるか。
ボンゴレの血統だから、殺されることはまずないだろうが、一応覚悟はしておこうと考える。



「じゃあ、俺が十代目から外されたらみんなどうする?」


「俺の十代目は十代目貴方ただ一人!俺は嵐の守護者を降ります!!」


「俺もなのな!だって、もしかしたらあのテヌールが十代目になるかもしれねーだろ?そんなやつの守護者はパスしてーしな」


「僕も同意見だよ。そもそも僕はボンゴレとやらに所属しているつもりは全くない。
このリングも僕に利益があったから持っていただけだしね。最近はこれのせいで利益も何も、むしろ迷惑ばかりだし」


「僕も降りさせてもらいますよ。そもそも僕は、沢田綱吉の霧の守護者になる代わりに犬と千種の保護を要求した。
綱吉がボンゴレ十代目から外され、その上あの女は騒ぎにはしなものの以前からクロームを目の敵にしてきました。
このままだと、どちらにせよ彼らの安全はなくなってしまう。そうなるのなら、僕からボンゴレに背いた方がずっといい」


「わー、みんな嬉しいこと言ってくれるねー。でも骸はいいの?
その考えは確かだけど、もしかしたらボンゴレは犬と千種、クロームを人質にするかもしれないんだよ?」


「その時はその時です。綱吉、僕は今まで君に協力してやってたんですから、恩返しくらいしたらどうです?」


「強引だなおい!」


「それくらいいいでしょう?生徒会長命令です」



クフフン、と得意そうに笑う骸にブチッと青筋をたてるツナ。

でもまぁせっかくの仲間からの頼みを断るわけにはいかない。
ツナは仕方ないというように頷いた。



「まぁ俺が悪い部分もあるだろうからいいけどさ。俺近い内に旅に出ようと思ってるんだよね」


「「「………はあ?!!」」」



さらりと普通に言われた言葉に絶叫する守護者たちを見て、ツナは、いい反応だね、と嬉しそうに笑った。

そりゃあ突然、旅に出ようと思うなんて言われたら驚くのが普通だ。
ツナはニコニコと笑みを絶やさないまま口を開いた。










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