01/05の日記

11:27
『薔薇の守護花』第一輪
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※このお話は初代時代で、オリキャラが全員で7人います※

薔薇の守護花のボス・ローリア

紫陽花の守護花・クオーレ

サルビアの守護花・アトロチタ

鈴蘭の守護花・綺羅

アザミの守護花・ヴェンデッタ

猫柳の守護花・梨亜

ハスの守護花・蓮

※《月夜を支配する者》でおなじみのキャラたちもいます。
ちなみにこの話は、梨亜・蓮・綺羅がボンゴレと婚約するというストーリーで書いていました…。が、結局あまり進まずそこまでまだいっていません…。
なので、とてつもなく中途半端です!※


それでもいいという方はどうぞ…。







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イタリアの大きな都市のはずれには、小さくも大きくもないひとつの町があった。


町の周りには、茨が町を守るように広がっている。


町の中は、様々な花たちが道を飾り、花がない場所はなかった。




住人の家にも、花が植えられており、花がないところはない。




そんな町の中心部には、広大な土地に佇む大きな屋敷があった。


その屋敷の周りは、町同様に、木々や花がたくさん植えられており、敷地内には酷く綺麗な庭園が広がっている。


手入れも隅々まで行き届いており、花の種類も多種多様。


定番な物から珍しい物まで、揃えられている。







そんな、写真から切り取ったような美しい庭園を持つ屋敷に住み、花の美しいこの町をまとめているのは…………
マフィア界でも有名なあるファミリーだった。


人々は、そのファミリーをこう呼ぶ。









“薔薇の守護花”
























大量の書類を片付け終えて、疲れたボンゴレT世・ジョットは、こっそりと外へ出て気分転換をしていた。


椅子にずっと座っていて、かちこちになった体をほぐす。



やっぱり、外はいいな…。

今日も天気がいい。





そう思いながら、空を見上げて歩き慣れた道を歩いていると、ドンと肩に衝撃が走った。



しまった。人にぶつかってしまった…!



そう思い、横を見ると、女性が地面にしりもちをついていた。

嫌味のない淡いピンク色の長い髪をした女性で、
ぶつかった衝撃で地面に落としてしまったカバンとその中身を拾っていた。


俺も慌てて、拾うのを手伝う。




「すまなかった…。よそ見をしながら歩いていた…。怪我はないか?」



そう言いながら、その女性に手を貸して立たせる。

女性は、にこりと微笑んだ。





「えぇ…。平気よ。私の方こそごめんなさい。考え事をしてて…」





済まなさそうに、上品に笑う女性。


たれ目気味な目が、優しい雰囲気を出し、淡いピンクの髪が優しい雰囲気を引き立てている。


気品…、という言葉が似合う女性だった。




「では、私は用事があるので失礼させていただきますね。では………また縁があったら」


女性はそう言って、歩き去っていった。






その場に、ピンク色の薔薇の花を残して……。















Gは、少なくなった食料を買い足すために、店に来ていた。

様々な野菜などを見て、品質を確かめながら買う物を決めていく。


次はトマトを買おうと思い、鮮やかな赤色をしたトマトに手を伸ばすと、他の奴の手とぶつかった。






「「あ」」






俺と、ぶつかった奴と声が重なる。



「悪ぃ」

「いえ!こちらこそ、すみませんでした」



ぶつかった奴に顔を向けて謝ると、そいつは好感が持てる笑みを浮かべて謝ってきた。


男は、黒に混ぜたように濃い緑色の髪をしており、紳士のような笑みを浮かべている。


この辺りでは見ない顔だな…。


そう思っていると、そいつはトマトを手に取って、こちらに差し出してきた。




「どうぞ。これがとりたかったんでしょう?」


「え?あぁ…。けどお前…」


「いいんですよ。私はもう三個くらい買いましたから」



そう言う男の手には、今日使うであろう食材が入った紙袋が抱えられていた。


とりあえず、トマトは必要だったので有り難くもらっておく。



「そうか…。悪ぃな」


「いえ。それじゃあ、私はこれで」



男はそう言うと、すたすたとこの場を去っていった。






その場に、赤い花を咲かすサルビアを残して……。















雨月は、ある広い公園のような場所にいた。

横笛が吹きたくなり、見晴らしがいいここに来たのだ。


雨月は、横笛を取り出すと、それを口にあて、澄んだ綺麗な音色を奏でた。


横笛独特の音色が辺りに響き、空気を震わせる。




数分後、一曲を吹き終わり、一息をつくと、ベンチに横になっていた男性が、むくりと起き上がった。



「あ、すまない…。起こしてしまったでござるか?まさか人がいるとは思わなかったもので…」



まさかベンチに人がいたとは………拙者、気付かなかったでござるよ…。

そう思っていると、その男性は髪に隠れて見えない目の逆…見えている方の目で拙者を見た。


左目は、顎ぐらい長さのある前髪で隠れており、右目しか見えない。


その男性は、青色の髪をしており、とても澄んだ色をしていた。




「……別に」


「そうでござるか?それなら安心したでござる!」



にこにこと笑っていると、ちらりとその男性がこちらを見る。

だが、またそらされてしまった。


?、人見知りでござろうか?



そう思っていると、その男性はすくっ、と立ち上がると、踵を返して歩き出した。



「あ!ちょっと待つでござ――――」



そこまで言いかけたところで、ゴアッと強い風が吹き荒れた。


たまらず、目を瞑り、風がやむのを待つ。



風が止んで、そっと目を開けると、そこにはもうあの男性はいなかった。





そこにあったのは、季節外れな花………紫陽花だけだった。















仕事もなく、暇を持て余しているランポウは、外をぶらぶらと宛もなく歩いていた。

数時間歩き続けていたせいか、お腹がぐぅ〜、と鳴る。


「お腹……空いたんだものね…」


帰って何か食べようか、それとも何か買って行こうか、そう考えた時、目の前にアメが差し出された。


女性のものと思われる手にあるアメは、ぶどう味らしく、ぶどう柄の包み紙に包まれている。



「お腹空いてるんでしょ?はい!あげる!」



視線をアメから外して、そちらを見る。

そこには、茶色気味の髪をした女性がいた。


髪は肩につくくらいの長さで、流行に敏感なのか、服は流行りのものでまとめられていた。



ぱっちりとした目が印象的で、無邪気な笑顔からは、嫌味や媚びは全く感じられない。


ランポウは、目をぱちくりとさせて、その女性を見た。




「…このアメ、ぶどう味なの?」


「うん!あ、ぶどう味嫌いだった?」


「俺様、ぶどうは好物なんだものね。じゃあ、このぶどうは有り難くもらっておくよ」




ひょい、とアメを受けとれば、その女性は嬉しそうに笑った。



綺麗な笑顔をする人だなぁ…。




「ぶどう好きなんだ。私もぶどう好きだよ♪アメはぶどうが一番好きなんだ」


「へぇ。俺様もなんだものね」


「そうなんだ!あ、私そろそろ行かなきゃダメだから行くね!バイバーイ!」


「あ。ありが―――」





ありがとう、と言い終わる前にその女性は人混みの中に消えていってしまった。


まぁ、仕方ないか。



包み紙をとり、ぶどう味のアメを口の中に放り込む。

ころころと舌の上で転がせて、ぶどう味を楽しむ。




帰ろうと思い、踵を返そうとすると、ふとある物が目にとまった。



さっきいた女性がいた所に、白い花を咲かせる鈴蘭が、一輪ポツリと落ちていた……。
















ある教会に、ナックルはいた。

聖書を手にして、前に置かれている物を見ている。



すると、後ろの扉がギィ…、と音をたてて開いた。



?、礼拝者か?


そう思っていると、扉を開けて入って来た男性は、俺を見つけるなりハハッ、と笑った。




「神父か?悪ぃ。お使いで花を添えに来たんだけどよ。置く場所が分からねぇんだ。どこに置けばいい?」



鮮やかな赤い髪をした男性は、橙色の瞳をキョロキョロと周りを見るように動かしながら聞いた。


手には、綺麗な花が抱えられており、見事な花束だった。

色合いも綺麗にまとめられている。



「それなら、こっちの花瓶に生けておく。究極にありがとうな」


「おー。そんじゃ、よろしく頼むぜ」



男から花束を受け取り、俺は軽く頭を下げた。

男性はニカッと笑う。



「じゃあ俺はもう行くぜ。お使いは済んだことだし。じゃーな」



ひらひらと手を振りながら去っていく赤い髪の男。


俺は最後に、また頭を下げた。


バタンと扉が閉まる音がして、顔を再び上げる。



すると、扉の前に花が落ちているのを見つけた。








そこには、周りを拒絶するように赤々とした花………アザミがポツンと落ちていた…。















アラウディは、日頃の日課となっている巡回をしていた。


歩き慣れた裏路地を、スタスタと歩いていき、怪しいものがないかを確認する。

たまに、裏の人間がここで取引をしたりするから、それを取り締まるためにアラウディは黙々と歩いていた。


だがまぁ、そんなしょっちゅう取引があるわけがなく、最近はただの散歩と化してきていた。


今日も収穫はなしか…、と思っていると、一人の女性が裏路地を歩いているのを見つけた。



二つ結びが特徴的で、メガネをかけている。

見たところ一般人のようだ。




「……君、こんなところで何してるの」


「え?近道してるとこだけど…」




女性は、目をぱちくりとさせながらそう言った。

その言葉に、僕は訝しげに眉を寄せる。


近道……?

確かに裏路地はいろいろと抜け道があるが…、こんないりくんだ所にわざわざ入ってまで近道するなんてね…。

職業柄、大抵の嘘は簡単に分かる。


だが、この女からは、嘘をついているというような雰囲気はない。



本当のようだ。






「ふぅん。そう。裏路地はいろんな連中がいるから早く行きなよ」


「はあ…。……とりあえず忠告どうも」



ぺこり、とその女は頭を下げると、タタタッと小走りにここを去っていった。


女が行った方向とは逆の方向に踵を返そうとすると、その場に植物が落ちているのを見つけた。



そこには、猫のように気まぐれな方向へ茎を伸ばしている猫柳が、ポツンと落ちていた…。













デイモンは、海の見える崖へと向かっていた。

息抜きにと思い、歩き慣れた所を歩き、そこへ向かう。


崖が見えてきた頃………、そこには既に先約がいた。


崖の先の方にいる女性は、ただそこに静かに佇んで、流れる波を作り出す海を、ジ…ッと眺めていた。




「おや…」


珍しい。
ここにはなかなか人は来ないというのに。





女性はサイドの髪を後ろに結ったような髪型で、セミロングの黒髪を風に靡かせていた。

長めの上着に、濃い目のジーンズ。


全体的に、ダーク系の色合いだ。





あんな崖っぷちに佇むなんて………何を考えているのやら…。


興味が少しだけ沸き、僕はその女性に近付いた。


普通に歩いているため、足音は当然するのだが、女性が気付く気配はない。


僕は興味本意で、その女性に話しかけた。









「何をしているんですか。こんなところで」









そう聞くと、女性はピクリと反応し、ゆっくりとこちらを振り返った。


感情の読めない目が、僕を映す。




「……ボーッとしてただけ」


「う〜ん…。そうですか。てっきり、身投げでもするのかと…」


「身投げ?…死のうとかは思ってないから大丈夫。ただ単に、綺麗な海だな〜、って思ってただけだから」



そう言いながら、女性はまた視線を海に戻した。

はぁ…、とため息をつくのが聞こえる。




「………近くの街にある中央広場ってどこか分かる?」


「え?あぁ…。それなら、あの道をまっすぐに行けば大きな時計がありますから、それを目標にして行けばいいですよ」


「大きな時計ね。分かった。ありがとう」



女性はそう言うと、踵を返して歩き始めた。


どうやら、もう帰るようだ。



「もう帰るんですか?」


「待ち合わせしてるから。場所教えてくれてありがと。じゃーね」



女性はそう言うなり、スタスタと早い足取りで歩き去った。


それから、ふと崖に視線を移す。





そこには、大きな花びらを開かせるハスがポツリと落ちていた…。












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=あとがき=


中途半端でホントすみません;


どれがどのキャラか分かりにくい方もいたと思うので、一応補足説明します!


ジョットがあったのがローリア

Gがあったのが、アトロチタ

雨月があったのが、クオーレ

ランポウがあったのが、綺羅

ナックルがあったのが、ヴェンデッタ

アラウディがあったのが、梨亜

デイモンがあったのが、蓮




こんな感じです。

頭の中では、綺羅をジョットと梨亜とアラウディと、蓮をデイモンと婚約させようかなと考えていました。


というか、管理人:綺羅&管理人:梨亜の希望だったり…←

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