06/13の日記

07:28
『女王による華麗なる復讐劇』第一幕 開幕の合図
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※いつぞや書いた梨亜嫌われをちゃんと書いてみたもの※
※味方は、綺羅、蓮、ヴァリアーとツナたちの兄たち(まだ出ないけど……)※



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今まで普通で楽しい日常を過ごしてきた私の日常が、ある出来事で大きく変わってしまった。

学校に行けば、
ひそひそ話が絶えず聞こえ、
下駄箱の中にはゴミくず、
机の上の落書き、
破り裂かれた教科書やノート、
責めるような視線に、
飛んでくる暴力。

家に帰れば、
存在がないかのように扱われ、
ご飯なんて食べさせてもらえず、
自分の居場所はない。

唯一あるのは自分の部屋くらい。

友達も、先輩も、居候も、母親も、双子の兄も…………誰も私を信じてくれない。
転入生の言葉を真に受けて、
長く付き合ってきた私よりも、そっちを信じたバカな人たち。

あんなブスな転入生のどこがいいんだか。

そう毒づきながら、ベッドに腰を掛ける。

私、沢田梨亜は……………
あのクソ忌々しい転入生、李坂桃香に見事嵌められて、只今嫌われ中だ。





場所は屋上。
時間は放課後。

私は、今並中の屋上にいる。

目の前には、実兄である沢田綱吉と周りにはその守護者たち。
そして、その中には李坂桃香の姿もあった。

相変わらず、演技臭い顔して香水臭いし気持ち悪いなあの女…。
ていうか、あの化粧風紀委員にバレないのかな?

……あ、その前にあれだった。
恭弥は、李坂桃香を気に入っている。
だから、少しくらい校則違反をしても、李坂桃香は例外的に許されるのだ。

前までは、私も少しの校則違反なら許してもらえていたのだが………今はそうじゃない。
今の私は、迂闊にアメや携帯なんかは持ってこれない状態だ。

咬み殺されるのは嫌だし…、ていうか撒くのが面倒だから真面目にしてるんだよ私。

……くそ…、不平等は反乱を招くよ恭弥…。

いつか下克上してやる…。

そんなことを思っていると、お兄ちゃんは厳しい表情をしながら、私を睨み付けた。


「何でこんなことするんだよ梨亜!!もうやめろよ!桃香ちゃんをいじめるのは!」


またその話か…。

ワンパターンだよ、お兄ちゃん。


「やめろもなにも、私は何もやってないよ?それに、私はいじめなんて、ちっぽけなこと自体しない。
そんな遠回しなことをするくらいなら直接斬った方が早いよ。
私の性格忘れちゃったのかな〜?お兄ちゃん♪」


いじめなんて、コソコソしたやり方は好きじゃない。

私は人の傷口を、言葉の暴力で広げるのが大好きな人だよ?←
口喧嘩ならともかく、陰湿な真似はするわけがない。


「ふざけるなッ!桃香ちゃんをカッターで切ったのはお前なんだろ!?
こんなこと、するやつじゃないって信じてたのに…!」

「は?信じてた?なーに言ってんの、お兄ちゃん。信じる気なんか、なかったくせに。
あーあ、私たち双子はお互いを全く理解してなかったみたいだね。所詮その程度。ダメダメのダメ兄だね?」


ハッ、とバカにしたように言えば、お兄ちゃん本人じゃなく、隼人が怒鳴り始めた。

相変わらずの忠犬っぷりに、私はびっくりだよ。


「十代目を侮辱すんな!!十代目の妹だからって容赦しねぇぞ!」

「やれるもんなら、やってみろー♪私、知ってるよ?
今日はダイナマイト使い物にならないんでしょ?体育の時間、水被ったんだってね♪」

「チッ…!やっぱり、あれはてめえの仕業だったのか…!」

「オーホッホッ!まだまだ詰めが甘くってよ!!」


ダイナマイトで痛め付けられるのは目に見えてるからね!

先に仕掛けさせてもらったのさ☆


「ッヤロ…ふざけやがって……!」


ごっめんねー?

私、小学生並に精神年齢低いんだよ。


「クフフ…。詰めが甘いのは貴女の方ですよ。沢田梨亜」

「あーら、痛快で愉快な南国果実風情が何をおっしゃっているのかしらー??」

「そんな態度でいられるのも、今のうちですよ」


ニヤリと不適に笑った骸を見て、私は訝しげに眉を寄せた。

私は裏をかいたりするのが好きだが、骸もまた人の裏をかくのを得意とする。

しかも、幻術で何かしてくるもんだから、私よりもある意味、質が悪い。

だって、見えない攻撃だよ?
卑怯だよね〜。


「まぁ……私も騙し討ちとかは大好きなんだけどね?」


そう言いながら、私は上半身をひょいと横に動かし、虚空に手を置いた。

虚空なはずなのに、しっかりと感じる触感に、私はニマリとする。


「超直感を持ってるのはお兄ちゃんだけじゃないんだよ?ね、お兄ちゃん♪」


そう呼べば、目の前にいたお兄ちゃんは消え、
かわりに虚空に置いた手から徐々にお兄ちゃんの姿が現れた。

霧の幻術か〜。
しかもお兄ちゃんハイパー化してるじゃん。


「残念だったね。どこを狙う予定だったの?」

「お前の心臓だ」

「仮にも妹なのに、ひっどーい」


けらけらと笑いながら言う私は、さぞかし可笑しいだろう。

ここは笑う場面じゃないなんて、私も思うけどね?

でも、笑っちゃうんだよ。
バカって面白いね♪


「お前なんか、もう俺の妹じゃない!!桃香を傷付けて…!」

「……またそれ?いい加減、聞きあきたよ。その言葉」


呆れながら言えば、今度は李坂桃香が口を開いた。


「り、梨亜ちゃぁん……。桃香…謝るからもうやめてぇ…」

「桃香は謝らなくていいよ。謝るべきなのはあいつなんだから…。
梨亜、桃香に謝れ。お前が謝れば全部終わるんだよ……」


ハッ……謝るなんて………今までのことを認めるような行為……私がすると思う?
あくまで、お兄ちゃんは李坂桃香の味方…。

私の味方じゃない。


「あのね、みんな。私だって怒る時は怒るんだよ?我慢の限界だってあるんだよ?」


今まで、ずーっと我慢してきたけどさ。

ここまでくるとさすがに我慢の限界だ…。


「お前が怒ったところで、何もできない。ここで殺されたくなかったら桃香に謝るんだ」

「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!
『何もできない』?『殺されたくなかったら謝れ』?なーに言ってるのかなあ?
そんな脅し私に通じるとでも?やっだ、怖ーい♪あっはっはっはっはっはっは!!」


そこまで、李坂桃香に溺れてるなんて、なんて滑稽なんだろう!!

無知すぎるよ、みんな!

証拠もないのに、よく断言できたね?
私に、李坂桃香に謝れなんて言えたね?
バカだよ。みんな。
本当………低脳だね。

私は、にこぉとした笑みを顔に張り付けて、お兄ちゃんに向かって静かに言葉を発した。


「ねぇ、お兄ちゃん。愼哉お兄ちゃんは、私とツナお兄ちゃん、どっちの味方をすると思う?」


愼哉お兄ちゃん。

私とツナお兄ちゃんのお兄ちゃん。
一番上の長男で、年は高校生くらい。

私もツナお兄ちゃんも、
愼哉お兄ちゃんが大好きで、愼哉お兄ちゃんもよく一緒に遊んでくれた。
愼哉お兄ちゃんは優しくて、天才で、人望が厚くて、完璧な人。

私とツナお兄ちゃんの、自慢の兄。
でも愼哉お兄ちゃんは、事情があって、今家にいない。

お母さんとツナお兄ちゃんは、愼哉お兄ちゃんは留学してると認識しているけれど……。
なぜ、愼哉お兄ちゃんが海外にいるかの本当の理由を、私は知っている。

留学じゃない、本当の理由を……。


「愼哉兄さん?そんなの決まってる…。愼哉兄さんは、俺たちの味方だ。
梨亜が間違ってるって、愼哉兄さんはすぐに分かる」


ハイパーモードになったことで、細く細められた目が私を射抜く。

予想通りの言葉に、私は小さく笑った。


「ふふふっ。そうかな?愼哉お兄ちゃんはきっと私の味方だよ。
それに、あの人たちもみーんな……私の味方をしてくれる…」

「お前に味方なんていない…!全員が敵だ!」


ガッと回し蹴りが私の体に打ち込まれ、私の体はくの字に曲がり、屋上のフェンスを飛び越えた。

実の妹を普通、蹴り飛ばすか?
ふふっ、でもいいよ。

だって、これでやっと宣戦布告ができるんだから…。

少しずつ見えなくなっていく、みんなの顔を見て、私は高らかに声を張り上げた。


「奈落の底から私は願おう!
バカな騎士たちは真の騎士たちに敗北し、
真実の仮面を被った虚偽は親愛なる友人たちにより敗北し、
バカな女王は真の女王に敗北する!!
さあ、始めよう!女王による華麗なる復讐劇を!!!」





…………………それから三日間。

沢田梨亜の姿を見た者は、いなかった……。

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=あとがき=

いつぞや書いた梨亜嫌われをちゃんと話として書いてみたものです。
今のとこ、綺羅と蓮は出てきませんがすぐ後に出てきたり………。
一応、これはハッピーエンドで終わらせようかと思ってる嫌われ微ギャグのもの。
シリアスはもちろんあるんですが、
ツナたちの兄たちとヴァリアーが来たらギャグが多くなるだろうという予測...

とりあえず、ここまで読んでくださってありがとうございました!
それではッ

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