08/05の日記
22:52
骸脱獄時、もし“小さき少年”がいたら?
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※これは、悲劇...キャラである“小さき少年”が登場しますが悲劇の先の喜劇本作には全く関係がありません※
※それだけご注意くださいませ…※
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マフィア界の掟の番人、復讐者。
表の法では裁けない凶悪マフィアを収容している復讐者の牢獄の最上階の部屋には、
ここには不釣り合いな子供がいた。
鼻歌を歌いながら、折り紙を丁寧に折っていき、
その少年は出来上がった折り紙を満足そうに見つめた。
「でーきた♪」
きゃははー、としばらく見つめていると思っていたら、少年はぐしゃりと握り潰した。
ぱっと開いた手から、原形を止めていないぐしゃぐしゃになった紙が床にポトリと落ちる。
復讐者最高責任者の“小さき少年”は、
部屋に近付いてくる気配に気付き、顔をあげて開くであろう扉を見た。
ばたんっ、と開いたそこには一番の部下で“小さき少年の”お気に入りのグワストがいた。
グワストは、ここまで走ってきたのかうっすらと汗をかいている。
「あ、主……!」
「なにぃ?なんかあったのぉ?」
ぴょん、と椅子から立った“小さき少年”は、ぱたたとグワストに駆け寄った。
グワストは、ふぅ…と深呼吸をしてゆっくりと口を開く。
「この間、新しく捕まった囚人いたろ?」
「この間ぁ?
……あぁ、とぉっても素敵な心してたやつらだよねぇ。明日が死刑執行日でしょぉ?」
「そうなんだが………その三人が脱獄した」
「………脱獄ぅ…?うっそぉ、脱獄考える人なんていたんだぁ」
今までになかった前代未聞のことに、“小さき少年”は子供特有の大きな目をぱちくりとさせた。
すごいねぇ、と対して問題なさそうに言う“小さき少年”に、グワストはあのなぁ…、と呆れる。
「これからどうすんだよ?脱獄した時に看守数人、周りにいた囚人皆殺しにされたんだぜ?」
「囚人が死んだところで問題なんて出ないよぉ。
看守はちょっと痛いけど仕方ないよねぇ。しばらく泳がせとけばいんじゃなぁい?」
「て、適当だな……。一応あいつら凶悪マフィアだぞ?
まだ15歳そこらだが、厄介なのには変わらねぇし…」
「いいったらいいのぉ!だぁってもったいないもん。
あんな憎しみを持て余すくらいなら、少しくらい遊ばせてあげた方がいいよぉ」
なにするのか楽しみぃ♪、と無邪気に言う“小さき少年”に、諦めたのかため息をつくグワスト。
これをどうマフィア界に発表しようか……、そもそもそんなことを考えなければならないのは
長である“小さき少年”なのだが、いろいろ心配なためいつもグワストが考えている。
人体実験で望まぬ力を手に入れてしまったやつが、力を使いこなすとかまた厄介な……、
グワストがそう思っていると、“小さき少年”が、はい、とグワストに紙を渡した。
「適当な下っぱをジャッポーネに行かせといてぇ」
「は?何でまたジャッポーネ?………あぁ…、そこに脱獄犯がいんのか」
「理解してくれてよかったぁ♪まぁそういうわけだからぁ。処分はまた考えとくよぉ」
「はいよ」
†
「なーんだ。あっさり捕まっちゃったんだ」
“小さき少年”は、グワストから主犯の六道骸と部下二人が
回収できたと報告を受けた途端、つまらなさそうにそう言った。
何を期待してたんだか…、とグワストは呆れる。
「ボンゴレの協力があって今回は簡単に事が終わった。
まぁ報告書通り、六道骸による被害者は結構な数だがな」
「ふーん?別に、死人は出てないんでしょぉ?」
「あぁ」
「ならいっかぁ♪僕、今から処分を言い渡してくるからぁ。どこにいるのぉ?」
「753牢だ」
「分かったぁ!」
たたた、と“小さき少年”は復讐者の証であるコートをはためかせながら
753牢にいる六道骸と城島犬、柿本千種の元へ向かった。
他の囚人が受容されている牢を通る度に、ひぃっ!というひきつった悲鳴や怯えが聞こえてくるが、
“小さき少年”は無邪気に笑ったまま目的地へ走っていく。
それから、突き当たりを曲がって目の前にある鉄格子にぴょんと飛び付いた。
「みっけぇ♪六道骸と城島犬、柿本千種!やっぱりそこらのやつよりは上等な闇だねぇ!」
「……誰ですか。子供がこんな所に何の用です」
“小さき少年”と目があった骸は、睨み付けながらそう聞いた。
“小さき少年”は、特に気にする素振りも見せずに、きゃははは!と上機嫌に笑う。
「僕ぅ?君たちに処分を言い渡しに来た復讐者最高責任者だよぉ!」
「こんなガキが最高責任者らと!?信じられねーびょん…!」
「きゃははははは!!信じるか信じないかは勝手にしてねぇ♪僕は困らないしぃ!」
異質な雰囲気を纏う“小さき少年”に、千種は冷や汗をつぅ…と流す。
今にも噛みつきそうな犬を骸は片手で制して、骸はクフフ…と笑いながら口を開いた。
「それで……最高責任者。僕らの処分は?また死刑ですか?」
「んー?まぁ正式に基準に沿おうと思うなら死刑だねぇ。
でも僕、君たちの……特に君の感情が気に入ったんだぁ。だから、ちょっとした取り引きをしよぉ?」
にこり、と口元を三日月形にしながら笑う“小さき少年”に、取り引き…?と骸は不思議そうに聞く。
すると、“小さき少年”はジャラリとここの牢の鍵であろう鍵を取り出した。
「この鍵を渡すから、君たちは折を見てここからまた脱獄してみなよぉ。
それで、復讐者から逃げ切れたら君たちを完全釈放してあげるぅ。どお?悪い話じゃないでしょぉ♪」
「……正気ですか?最高責任者がそんなことをするなんて」
「最高責任者だもーん♪きゃはは!それでどうするのぉ?やる?」
「……やらなかった場合と、やる場合で捕まったらどうなるか教えてください」
「やらなかったら死刑執行の処分!捕まった人は地下の水牢行きぃ♪」
やらなかったら死ぬが、参加すれば最低でも命は助かる選択。
だが、捕まれば動くことすらままならない水牢行き……。
それはとても悩むところだった。
だが、逃げ切れれば完全釈放……追われることがなくなる。
そう考えた骸は、やらないよりはやった方がマシだと考え、口を開いた。
「ちなみに……警備強化とかするおつもりで?」
「まっさかー♪しばらくは手薄にするよぉ?それじゃあつまらないし!」
「クフフ……、僕らは最高責任者のおもちゃということですか…。それはまた気分の悪い扱いだ」
「でもおいしい話でしょぉ?僕は約束は守るから不審がらないでねぇ?」
「………まぁ、いいでしょう。逃げるための算段を考える期間に決まりは?」
「なし!別に五年たった後で逃げてもいいぐらいに期間はないよぉ!」
「ならば、その取り引き受けてたちます。犬、千種、いいですね?」
「はい…。骸様」
「オーケーらびょん!こんなとこ、すぐに抜け出してやるびょん!」
「なら、決ーまり!はい、鍵だよぉ♪」
鉄格子の間から、骸に鍵を渡す。
“小さき少年”は、骸を見上げたまま無邪気にまた笑った。
「簡単に捕まらないでねぇ?きゃははははははは!!!」
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=あとがき=
なんとなーくで書いてみたものだったり←
リボーンを読んでたら、復讐者を見て“小さき少年”を思い出し、書きたい衝動に駆られたのです…。
とりあえず、この後はグワストに取り引き…というかゲームのことを伝えて、
“小さき少年”は高みの見物ですかね…。
グワストは呆れる他ないだろうな…。
結局、原作通りに骸だけが捕まり、犬と千種は完全釈放で骸は水牢行き。
そんな感じですかね…。
うん、骸のマフィアに対する憎しみは“小さき少年”の大好物に違いない!←
とりあえず、今回はこの辺で失礼するとします!
ではではー...
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