08/22の日記

20:02
『花は咲き、舞い散る』第一話 知らない場所
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※シリアスになる予定で書いたもので、トリップです※
※中途半端です※





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卯月未無。18歳。

成績も運動もそこそこで、どこにでもいる女子高校生。
ちょっと変わってると言われるが、それを除けば普通の高校生だ。(多分…)

いつも通り、変わらない生活を送っていた今日………私の人生は一変した。


「……はぁ…」


あまりの出来事に驚くこともできない。

私はさっきまで下校していて、歩き慣れた道を歩いていたはずだった。
それがどうしてこんな………
いかにも外国です、という街に出てしまったんだろう。

行き交う人々は、日本語じゃない言葉を話している。
英語でもないのは聞いていて分かったが………何語なのだろうか。
というより、ここはどこなんだろう…。


「…どうするかな……」


夢だと思いたいが、現実味がありすぎる。
いつも第三者の目からものを見ていて、
自分のことだという実感がしないのに、こういう時だけは敏感に感じてしまう。

本当に腹立たしい…。

こういうピンチみたいな時に限って、初めて自分の事のように感じる。
……とにかく、いつまでもそう思ってても仕方ない…。
夢じゃないならこれは現実。
どうにかしないと…。

私は、ちらっと横目で賑わう街を見てみた。

人が多く、私は自然と眉間に皺を寄せた。
人が少ない場所に行こうと思い、私は狭く小さな路地に入って行った。
薄暗くて、人のいない道に私は、ほっと息をつく。


「…………最悪……」


今まで普通に目立たないように地味にそれなりに生きてきたっていうのに……。
何なんだこれは。
意味が分からない……。

そんなことを思いながら、私は裏路地をふらふらと歩いていた。

悪い夢であってほしい…。
知らない場所に知らない言葉……。
夢じゃなく現実なら………私はどうなるというのだろう?

どうしようもない不安に押し潰されそうになりながら、
とぼとぼと歩いていると、急に横からぐいっと腕を引っ張られた。
後ろ手に拘束されて、頭にずっしりとした何かが押し当てられる。


「……?」


急になに…?

体格からして、後ろにいるのは男だ。
それから、目の前には黒いスーツを着た男がいた。
やや前髪がパッツンの男の手には、
鉄の棒(……確かトンファーといっただろうか…)が握られていた。

男の目が、私に向けられる。

………あれ…?何だが見覚えのある顔だな…。
どこかでちらっと見た気がする顔。
だが、なかなか思い出せない。
うーん………………なんだっけ……。
………まぁ、いっか。
きっと知らない人だ。←


「Cosa può accadere a questa donna!」


知らない言葉が聞こえると同時に、
ゴリ…、と何かを強く押し当てられて、今更それが何なのか気付く。

拳銃だ…。
……拳銃って持っててもいいもんなの?

危機的状況にもあらず、そんなことを考えてしまう。
まぁ、他人事みたいな人生を歩んできたのだから、今更仕方のないことである。


「Quando io sono atterrito da durata di cittadino comune ma?」


ニヤリと笑うパッツンさん。
一応年上みたいだから、さん付けね。

パッツンさんがそう訳の分からない言葉で言うと、私に拳銃を突きつけている男はびくっと震えた。

あぁ、何だ…。
私は人質になっていたのか。
今更だけどね。
迷惑なことをしてくれるなぁ…。
私にとっても…。
あのパッツンさんにとってもさ…。

コツ……コツ……、とゆっくりと距離をつめてくるパッツンさん。


「Non si avvicini!Io assassino questa donna se io mi avvicino a più di lui…!」


銃口が更に強く押し当てられる。
地味な痛さに顔をしかめて、私は顔を俯かせた。


「……………さい…な……」


ポツリ、と呟くと、パッツンさんと後ろの男は動きを止めた。
俯かせていた頭をゆっくりと持ち上げる。

ただでさえ、訳の分からないことだらけでイライラしてるのに……。
私は後ろにいる男を横目で睨み付けるように、少しだけそちらに顔を向けた。


「猫ei sa!!」

「五月蝿い!!!」


足を大きく胸の前にまで上げて、後ろに思いきり蹴り込む。
深く入ったのか、男は腹を押さえてよろめいた。
その隙に拘束から逃れて、その男を睨む。
すると、後ろのパッツンさんが小さく呟いた。


「……ワオ」


ワオってなんだ、ワオって。

そう思っていると、チャキ…、と拳銃を向けられた。
私はそれを冷静に見つめる。
それこそもう他人事みたいに。
興味がないというような目付きで、私はこちらに向けられている拳銃を見た。
現実味のない世界に、私はボーッとする。


「Quando viene a questo, già è la disperazione!Io L'assassino anche…!!!」


男が引金を引こうとした瞬間……パッツンさんが動いた。

今まで見たことのない速さに思わず目を見開く。

男の懐に飛び込んだと思ったら、持っていたトンファーでガッと殴り飛ばした。
固い何かが砕けたような音がして、男は倒れる。
タラー……、と赤い血が地面に流れているのを、私は静かに見ていた。

……ご愁傷様。成仏してね。

本心から思ってもないようなことを、心の中で呟く。
それからふと、人の視線が私に注が私に注がれていることに気付いた。
横を見てみれば、そこにはトンファーをまだ手に持っているパッツンさんがいた。
私は反射的に目をそらして、スタスタと歩き始めた……………
が、パッツンさんに腕を掴まれて、先には進めなかった。
嫌々ながらも、パッツンさんの方に顔を向ける。

やっぱり何か見覚えがある。

そう思いながら見ていると、パッツンさんは口を開いた。


「君……何者?」


何者って…………え?何が?
どう答えろと?


「………って…あれ……?日本語……」

「君日本人でしょ?見た目からしてそうだし」


……母国語ってこんなに安心するもんなんだな…。
知らない言葉だらけで、正直不安だったし……。


「これを見ても動揺しないなんて普通はない。君は何者なの?」


これ、とはあの死体(死んでるよね)だろう。
確かに、普通なら叫び声のひとつやふたつぐらいはあげる。
だが、生憎私は普通じゃない。
そんなベタすぎることできるわけがない。

いつまでたっても答えない私に、イラついたのか、パッツンさんは声を低くした。


「聞いてる?」


このままでは危険そうだ。←(今更)
私はそう判断して、こくりと頷いた。


「……はい」

「そう。じゃあまた聞くけど君は何者なの?答えなかったら咬み殺す」


…………咬み殺す?
あれ?あれれれ?

私の中で、もしやという考えが思い浮かんだ。
よーくパッツンさんの顔を見てみる。

パッツン気味の前髪。
鉄の棒、所謂トンファー。
つり上がった切れ長の瞳。
ワオと咬み殺す。

……………そういえば……お兄ちゃんの気に入ってた漫画にそんな登場人物いたっけ……。
興味もない漫画を無理矢理見せられた覚えがある。
普通の中学生のやつを立派なマフィアにするために、殺し屋の赤ちゃんが来る話…。
それに出てきた…。

咬み殺すが口癖の風紀委員長……。


「雲雀…恭弥………」

「!?、……君…僕の名前知ってるってことはスパイ?」


本当に驚いているみたいで、パッツンさんこと雲雀さんは、トンファーを持つ手に力を入れた。

あたってた…。
あれ…じゃあここは……漫画の世界…?
そんなの……あり得ない…。
でも実際にここに雲雀さん…しかも十年後がいるわけで……。
何なのこれ…?

ぐちゃぐちゃに混ぜられたかのように頭の中がごちゃ混ぜになる。
しかし、それも強い衝撃のおかげで吹き飛んだ。
………おかげで、なんて言ったがそれは違った。
トンファーで殴り付けられた頭がずきずきと痛む。

私は、トンファーで殴り飛ばされたのだ。

その衝撃で、地面に尻餅をついてしまう。
軽くだろうが、普通の私にとっては重い一撃で、
混乱していた私に、雲雀さんの攻撃を避けることは不可能だった。
ずきずきと痛む頭を抑えて、私は雲雀さんを見た。
厳しい表情をする雲雀さんは、私の恐怖を煽るように、トンファーをひゅんっと振る。


「答えなよ。君は何者?」

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=あとがき=

わー………シリアスー…。
確かこれは……とにかくシリアスな十年後が書きたくて書いたんでしたね…。

中途半端な終わり方…っ←
てか随分と冷めてしまったヒロインちゃんになりましたが、設定上一応優しい面もある…!
難しい子ってだけなんで!←

話的には、ゆっくりとボンゴレに馴染んでいく感じに書こうかなーと考えて続きが書けなくなったもの...
突発っていいけど、書けなくなるのが痛いな…うん……。←

ではでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!
それではー!

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