11/16の日記
19:24
『変わらない想い』第一想 彼と再開
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※突発中編ネタ※
※雲雀落ちで、ほのぼの?だと思います※
※舞台は並高です※
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まだ真新しい制服に身を包み、まだ慣れていない教室に踏み込む。
一週間前がちょうど並盛高等学校の入学式で、たった一週間しか私もみんなもここに通っていない。
けれど、ほとんどが並盛中学校から上がってくる人なため、グループができるのは早かった。
私は黒曜中出身だし人見知りするからちょっと不安だったけれど、それはもう大丈夫。
「おはよう、詩織ちゃん」
「ちっす」
「京子ちゃんも花ちゃんもおはよう」
入学式の時に話しかけてくれた京子ちゃんと花ちゃん。
私も初めは緊張して戸惑ったりしてたけど、今はもう全然平気。
優しい子たちに会えてよかったな。
そう思っていると、廊下から短い悲鳴が聞こえてきて、何人かが慌てて教室に入ってきた。
それを不思議そうに見ていると、花ちゃんが来たわね…、と呟く。
「来たって何が?」
「風紀委員長よ。校内の見回りかしら。関わらない方が身のためね」
「風紀委員長……。!、私見てくる!」
「ちょ、自殺行為はやめなって!」
制止の声も聞かずに、私は廊下に飛び出した。
私には幼稚園の頃に好きになった男の子が一人いる。
物静かで、言い方がちょっとキツイところもあったけど、一緒によく遊んだりして親同士も仲がよかった。
私は黒曜だから、小学校からは別々になっちゃったけど、バレンタインの日だけは毎年会いに行ってお菓子を渡していた。
幼稚園の時からずっと私にはあの人だけで、今も心を支配しているのはあの人。
入学式の挨拶で初めて風紀委員長をしていることを知った。
「恭…ちゃん……」
怯えて道をあける生徒の中心から現れたのは、紛れもない想い人。
私はほぅ…、と息をついた。
前にあったのはホワイトデーで、交わした言葉は二言三言。
どうしよう……話しかけたいけど、話しかけにくい…かも。
高鳴る心臓と、歩いてくる彼で頭の中が真っ白になり、私はどうしようどうしようと考える。
幼稚園以来、会って話しをするのは一年間で二回だけになって、
中学生からは余計意識するようになっちゃってまともに会話ができなかったことが多かった。
話したい……話したいのに話せない…。
もうすぐ通り過ぎるところまで来て、ダメかぁ…、と自分に小さく落胆する。
すると、通り過ぎ様に懐かしい声がぼそりと聞こえてきた。
「……放課後応接室」
驚いて振り向くも、恭ちゃんはスタスタと学ランを靡かせながらどこかへ行ってしまった。
後ろ姿をぼーっと見つめながら、先程言われた言葉を頭の中でリピートする。
放課後……応接室に来いってこと…?
そう思った途端に、ふわりと温かくなる胸。
恭ちゃんから話しかけてくれた……。
その嬉しさでいっぱいになり、自然と微笑んでしまう。
まだ登校したばかりだというのに放課後が待ち遠しい。
「詩織ちゃん…?大丈夫?」
教室の窓からひょっこりと顔を出しながら言う京子ちゃんに、私はえ!?と驚く。
じ、自分の世界に浸りすぎちゃった…。
「う、うん!大丈夫だよ。ちょっとぼーっとしてただけだから」
「なにー?詩織ったら、風紀委員長に見惚れてたの?」
花ちゃんの鋭い指摘に、思わずびくりとしてしまう。
黒曜の友達にもひた隠しにしてきたから、そういう問いはとても驚き恥ずかしくなってしまう。
要はそう……慣れてないんだよね…。
「私…見惚れてなんてない、よ……?」
「え、でも詩織ちゃん。恋する女の子の顔してるよ?」
きょとんとしながら直球で言ってくる京子ちゃんに、顔が自然と熱くなる。
そんな反応を見せれば、花ちゃんがやっぱり、と言った。
「なるほどねー。そういうことか……。
確かに風紀委員長はルックスはいいけど、あんた危険じゃない?風紀委員長の噂は聞いたでしょ?」
花ちゃんの言葉は、友人を心配しての言葉だというのは分かる。
分かるけど、それは恭ちゃんの一部分でしかないから。
私の気持ちは変わらない。
「……幼稚園の頃から…ずっと好きだから…」
ポツリ、と呟けば顔を見合わせる京子ちゃんと花ちゃん。
すると、京子ちゃんはにっこりと温かな笑みを浮かべた。
「私、詩織ちゃんを応援する!ずーっと想ってきたなんてすごく素敵だし」
「ていうわけだから、あんたの恋ばな聞かせなさいよ。拒否権はないからね!」
「え!?えと、それは…!」
「学校じゃあ誰かに聞かれちゃうかもだから、今度詩織ちゃんの家にお邪魔してもいい?」
「わ、私の家…?でも黒曜だから遠いよ…?」
隣町とはいえ、並高からだと歩いて40分はかかる。
徒歩40分の道のりは遠い方だし、私の何もない家に来るために40分も歩かせるなんて無理だ。
そんなことを思っている間にも、京子ちゃんと花ちゃんは楽しそうに話し出す。
「遠いなんて大丈夫だよ。喋りながら歩けば早くつくし」
「行ってみたいから平気よそれくらい。ダメならダメでいいけど、どうかしら?」
うきうきした様子で聞いてきた二人に、私はうう…、と申し訳ない気持ちになってくる。
そ、そこまで言うなら……いいのかな……?
「えと…二人がいいなら……いいよ…?」
「やった!ありがとう詩織ちゃん。じゃあお土産持っていくね。楽しみー!」
「手土産はやっぱりナミモリーヌのケーキかしら。ケーキとか詩織は大丈夫?」
「大丈夫だよ。ケーキはみんな好きだから」
ケーキ、かぁ……。
そういえばバレンタインのお返しで今年のホワイトデーに恭ちゃんからもらったの、可愛い動物の形したクッキーが乗ったケーキだったな…。
箱にナミモリーヌって書いてあった気がするから、並盛じゃあケーキ屋さんで有名なのはナミモリーヌなのだろうか。
「じゃあ、お土産はケーキにするから楽しみにしててね!
私たちも楽しみにしてるから」
「うん…!」
こっちに来て初めに出来た友達が遊びに来る。
それに嬉しいななんて思っていた私だが、ふとあることを思い出してハッとする。
恋ばな聞かせてって言われたんだった…!
家に行きたいという言葉のせいですっかり忘れてしまっていたが、
二人が私の家に来るのは恋ばなが目的だからだ。
やられたー!
「楽しみだね!」
太陽のように輝かしい笑顔で京子ちゃんがそう言い、私の中でやっぱり断るという選択肢は崩れ去った。
か、覚悟決めるしかないのかな……?
嬉しいような恥ずかしいような……。
そんな気持ちがごちゃごちゃになったまま、私は今日の授業を受けたのだった。
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=あとがき=
なんとなーく思い浮かんで書いた突発ネタ!
いやー、最近まったくこういう手の話書いてない気がして………
(あれ…てか恋愛的なの書いたことあったっけ…←)
とまぁそんなこんなで書いたのです。←
最終的にはやっぱりくっつける予定ですけど……、
ヒロインが!詩織ちゃんが引っ込み思案な性格だから進みがスローペースになりそう…onz
ここは雲雀に頑張ってもらわねば!
(連載決定はしてないけどもね!←)
とりあえず、ここまで読んでくださりありがとうございました!
それではまたーっ
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