09/07の日記

18:15
『秩序なる鳥』第二.五羽 決心せし覚悟
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※秩序なる鳥、続きです※


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家の地下にある会議室は広く、シンプルに装飾された椅子が七つ、大きな机の前に並んでいた。
その七つの椅子に座っているのは、ボスである父さんの守護者たちで、その後ろには僕の守護者となるやつらがいる。
治療を終えたらしい希園もそこにいた。

何で集まったのかは、皆分からないみたいで、疑問符を浮かべている。
そんな中で父さんは、さて…、と話を切り出した。


「今日はみんなに伝えたいことがあってね。
だから次期十代目の守護者にも集まってもらったんだ。……恭弥、自分で言えるね?」

「子供扱いしないでよ。……まぁ言いたいことっていうのは、僕がアーラファミリーの十代目ボスを継ぐってことさ」

「え?そ、それって…本当…?」

「希園。僕が冗談は嫌いなの知ってるだろう?こんな質の悪い冗談なんてつかないよ」

「なら、ボスはやーっと決めてくれたんだな!長かったなぁ…」


うんうん、と満足気に頷いているのは、鳩竜(ハトリュウ)。
力のリングの守護者となる者で、化物並の怪力を持つ奴だ。


「あら!よかったわv私、ボス以外にボスしてほしくなかったものー!」


キャーッ、と五月蝿いのは、鵲菻(カササギリン)。
愛のリングの守護者となる者で、ブレーキを知らない変態だ。


「俺のスケジュールを邪魔してまでの話ならいいか…。ったく」


ブツブツと不満を呟いているのは、川蝉時哉(カワセミトキヤ)。
時の守護者となる者であり、時間スケジュールに厳格で、何でもスケジュール通りじゃないとキレる石頭。


「そうか…。時期もちょうどいいしな。やっとか」


眼鏡をかけ直しながら言っているのは、千鳥秀矢(チドリシュウヤ)。
智の守護者となる者で、勉学に全身全霊で取り組み、秀才の域を越えているがり勉だ。


「ふぅん」


興味無さそうに素っ気なさすぎる相槌を打つのは、烏寿(カラスコトブキ)。
無の守護者となる者で、冷淡で何事に対しても関心を抱かない精神病患者。


「恭弥…。本当に……本当に?私たちのボスになってくれるの?」


嬉しさと喜びを溢れさせている瞳をした希園に、僕はうん、と頷いた。
誰よりも優しく、幸せに満ち溢れている顔が似合うのが、運の守護者となる鶯希園だ。


「僕がアーラファミリー十代目ボス、理のリングを継ぐ。異論はないよね」

「「「ありません」」」


口を揃えさせ賛成する声に、僕は口角をつり上げる。

決まりだ。
僕が………、正式な後継者だ。


「なら、ここに僕は宣言するよ。十代目運の守護者となる鶯希園を、僕の正式な婚約者とする」

「……へ?」


僕の突然の話に、希園はもちろん、みんなが目を点にさせた。

婚約者宣言は、事実上のプロポーズと似たようなものだからね。
希園の驚いた顔が可愛くて、ついつい笑みが溢れてしまう。


「……恭弥。希園ちゃんの意見もちゃんと聞いたかい?」

「まだだけど。希園は僕と婚約するの嫌?」

「う、嬉しいです…!」

「なら決まりだ」


そう言えば、希園はぽぉ…と顔を赤らめながら微笑む。

………可愛い。
……っと、希園を見てる場合じゃないか……さっさと説明しないと…。


「……それと伝えないといけないことが一つ。ボンゴレについては聞いてる?」

「ふん。俺の情報網を甘く見るなよ。事情は把握している」


情報通な秀矢なら…、とは思っていたけど早いね。
さすが、がり勉。

趣味がウイルス作りなだけある。……いや、これは関係ないかな?


「まぁ、そんなわけなんだよ。相手はボンゴレで、しかも次期十代目候補。
それから雲の守護者だとかあったから僕も大きくは動けなかったけど、これからは違う」

「なんだ?雲のリングでも突っ返したのか?」

「秀矢、正解だよ。だから僕はボンゴレとは一切関係のない存在になった。僕はアーラファミリーの人間だ」

「ふふvボスが戻ってきてくれてよかったわ!
ボンゴレなんかにうちのボスをあげるなんて勿体無いもの!ねぇ、希園ちゃん!」

「う、ん……」


赤くなりながら俯くって………希園、それ狙ってるの?

抱き締めたい衝動にかられるが、そこはなんとか踏み止まり、僕は話を続けた。


「だから、僕たちは僕たちのやり方であいつらに思い知らせる」

「…復讐か?」

「寿…、まぁそうなるのかな。
対象はボンゴレ次期十代目候補、それとヒュールファミリーの令嬢、明井姫華」

「ヒュールファミリー………。あぁ…、薬をしてる連中だっけ。隆矢」


父さんがそう一言言えば、秀矢の父親である隆矢さんが何枚かの資料を父さんに渡した。
父さんはそれに目を通して、ダメだな…、と呟く。

その顔はどこか不満気な表情で、資料を見終わるなり、バサッと資料を机に置いた。


「秩序に反してる。薬物乱用、銃器の横流し、………僕のシマを荒らしたりもしてる…。
そろそろ排除しようと思ってたファミリーだ」

「ワオ、なら潰してもいいの?」

「そうだな……。じゃあ恭弥。いくつか聞くから君たちで答えなよ。いいね?」


君たち……?
……あぁ、そういう意味か。

父さんが言いたいことを理解した僕は、頷いて父さんの言葉を待つ。
父さんはそれじゃあ…、と口を開いた。


「ヒュールファミリーの規模、勢力は?」


それは、僕が継ぐことを決断した時にもう調べてある。
草壁にも調べさせてたから確かな情報だ。


「マフィア界で言うなら弱小とも言っていいファミリーで、仲間意識が強いわけでもなく、勢力もそこそこ。
部下はまぁ千人程度っていったところだ。やることはどれも卑劣で、民間人から金を巻き上げて資金にすることはザラにある。
特徴という特徴はないけど………ボンゴレに付け入ろうとしてることは確かだね」

「ボス、お言葉だがいくつか足りない情報がある。
ヒュールファミリーは隠蔽工作を最も得意とし、最近ではここ並盛に支部をたてるだとか
そんな話があるらしいが、そこは九代目の動きで阻止している」

「へぇ。僕が阻止してるとかよくそこまで調べたね。さすが隆矢の息子だ。
なら、明井姫華についてはどう?」

「明井姫華、殺し屋としての働きはあるけど無名。贅沢な生活をしていて両親は娘を甘やかしている。
ずる賢さは一級品で、何かと卑怯な手口を使う草食動物」

「ボスー!その明井姫華って人、我儘で自己中、偏った思考回路に、高飛車で、更には自分大好きナルシスト、
自分はお姫様なんだからみんなが言うこと聞くのが当たり前でしょとか思ってる性格じゃない〜??」

「よく分かったね、菻」

「顔見るだけで性格を判断するのが得意なの♪」

「じゃあ恭弥。自分たちだけで潰せるのか、ボスとしての総合結論を言ってみなよ」


楽しそうに言う父さんに、僕はニヤリと口角をつり上げさせる。
ファミリーの人数、そして武器庫の規模、ヒュールファミリー所属の要注意人物、ボスの賢さや連帯のよさ、
内部状況、人間関係、警備体制………全てを総合させずとも答えは簡単に出てくる。

僕たち次期十代目ファミリーの戦闘スキルをもってすればこんなところ………。


「簡単に咬み殺せる」

「正解。よくできました」


満足そうにそう言った父さんに、僕はニヤリと口角を吊り上げた。
父さんは、自分の守護者を見回して口を開く。


「力の守護者を鳩獸(ハトジュウ)から鳩竜へ。
愛の守護者を鵲婪(カササギラン)から鵲菻へ。
運の守護者を鶯幸世(ウグイスサチヨ)から鶯希園へ。
時の守護者を川蝉刻斗(カワセミコクト)から川蝉時哉へ。
智の守護者を千鳥隆矢(チドリリュウヤ)から千鳥秀矢へ。
無の守護者を烏茉葉(カラスマツハ)から烏寿へと継承させ、
理のリングを継ぐアーラファミリーのボスの守護者となることに異論は?」

「「「ありません」」」

「ならいいよ。恭弥、何かをやる時は僕に一言言ってね。君はまだ、あくまで後継者なんだから」

「分かってるよ。裏社会の秩序は父さんなのはちゃんと理解してるつもりだし」

「そう」

「じゃあ希園たちはこの後、地上の方に上がって僕の部屋に来て。そこでまた話し合いだ」


さて、どうしてやろうかな……。

ペロリと舌なめずりをしながら、僕はどう咬み殺すか思案しながら、会議室を去った……。

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=あとがき=

第二話これで全てです!!
雲雀をマフィアのボスにさせていただきました!
あぁ……雲雀のマフィアスーツはぜひとも長ランのような物にしたい…←

とりあえず、これからはまぁまた詳しい話し合いということでそんなんです。←
話し合いは十代目守護者のみなのでギャグにしたいところ…。


マフィア界の秩序、アーラファミリーのリングはこれらです。↓

理のリング・雲雀恭弥
力の守護者・鳩竜(ハトリュウ)
愛の守護者・鵲菻(カササギリン)
時の守護者・川蝉時哉(カワセミトキヤ)
智の守護者・千鳥秀矢(チドリシュウヤ)
無の守護者・烏寿(カラスコトブキ)
運の守護者・鶯希園(ウグイスキソノ)

ちなみに、彼らの名字は全て鳥に統一してみました!
なんか一体感が欲しかったんです←

これからの予定?としては、とにかく雲雀による制裁を……と考えています。
即座にやり返すのではなくじわじわ…、が目標。
ハッピーエンドになるかバッドエンドになるかはまだ分かりません……。
というか連載にするかさえまだ思案中の域だった…!

えーと……まぁそんな感じです!
では、ここまで読んでくださりありがとうございました!
ではッ



☆コメント☆
[涼夜] 09-09 16:28 削除
雲雀さんっ、かっこよすぎるZE!
それでこそ漢だ、このやろうっ!

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