03/13の日記

19:26
『マフィアは魔法使い!?』第一行 次期十一代目に来た入学許可証
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※ツナ娘主、復活×魔法です※
※ジャンルは、一応ギャグにしたいなとか思ってます…が、普通の学園的な物になるかもです※
※ツナが親ばかになってます※



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「パパーン!今話しても大丈夫?」


ひょこっと大きな扉から顔を出して執務室の中を覗いているのは、ボンゴレ十代目沢田綱吉の娘の沢田柚那。

母親譲りの大きな目がぱちぱちと動いており、ツナは死んだような目で仕事をしていたが、娘の顔を見るなりそれを一変させた。
きらきらとした目で入っておいで!とツナが言うなり、柚那は笑顔で中に入り、ツナの隣にある椅子に座る。


「あのね、手紙が来たの」

「手紙?そうなんだ。誰から?まさか男じゃないよね」

「うん。フクロウが届けてくれたんだ」

「………ムクロウ?」

「ムクロウじゃなかったよ。だって届けてくれたフクロウ、茶色だったもん。それでねパパン。私、ホグワーツに行きたい」

「……は?」


何だそれは?というような顔をして、ツナは柚那が嬉しそうに手に握っている手紙に視線を落とした。

ホグワーツなんて聞いたこともないし、フクロウが届けてくれたなんて非現実にもほどがある。
だが、柚那が言うならそうなのだろうと結論を出したツナは、その手紙見せてと言って、肝心の手紙の内容を見てみた。
普段使うような紙ではない、羊皮紙だろうか。

変わってるなと思いながら肝心の字を見れば、それは英語で書かれていた。
内容を読み、ホグワーツが学校ということが分かり、
更にはそのホグワーツが、全寮制の魔法魔術学校だなんていう学校だということも分かった。

全寮制の魔法魔術学校という文字を見て、ツナは沈黙する。


「(これは質の悪いイタズラか何か?)」

「ね、パパン。私ホグワーツに行きたい。
魔法なんて学ぶ機会、滅多にないもの!普通の勉強はリボーンに大学レベルまで教えてもらったし……」

「いつの間にそんなに学力上げたの!?」

「昨日ねこじゃらしの法則の問題見せたでしょー?」

「(理解できなくてそれが大学レベルだと気付かなかったよ俺…!)」

「ねぇ、パパン。だめ?学校行きたいの」


柚那にそう言われて、ツナは思わず詰まってしまった。

次期ボンゴレ十一代目となる柚那に危険は付き物なため、学校には行かせたことがなかったし、同年代の友達は柚那にはいない。
行かせたい気持ちはあったが、何かがあってはダメだと考え、勉強は全てボンゴレ内で教えていたのだ。

今まで柚那は学校に行きたいとかは言ったことはなかったが、学校という存在があることを知ってからは寂しげな顔を見せることが度々あった。
そんな柚那が、自ら学校に行きたいと言い出したのだ。

それはもう喜んで行かせてあげたいが、この手紙にあるホグワーツとやらは魔法魔術学校だと記されている。
何かの罠だろうかと考えたが、超直感がそれは本当だというため、その学校は確かに存在するらしい。

期待の籠った目で見上げてくる柚那の頭をツナは撫で、それから穏やかな声で言った。


「柚那。柚那はここの学校に行きたい?」

「行きたい!私、頑張るから!一番いい成績がとれるように頑張るから…だからお願いパパン、行かせて!」

「うーん、全寮制だから柚那はこの学校に入ったら俺たちと毎日は会えなくなるけど、それでも頑張れる?」

「……うん…!パパンたちに会えなくても、手紙を書けば話せるよね?なら私、頑張れるよ」

「よし、分かった!
じゃあみんなに説明しないとね。今からみんなを集めるから、ちゃんと自分の気持ちをみんなに伝えるんだよ?」


ちょっとっていうかだいぶ寂しいけど娘がここまで言うなら叶えてやりたい。

親としての気持ちがそう言い、ツナは心底嬉しそうに笑う娘に頬を緩めた。
柚那はそのまま勢いよくツナに飛び付く。


「ありがとうパパン!大好き!」

「俺も大好きだよ柚那!」


今の内に充電しとこう、とツナは守護者たちが集まるまで娘を放さなかった。
生粋の親ばかである。





「僕は反対だよ。そんな訳も分からない学校に柚那を行かせるのは」


ピシャリとそう言い放たれ、柚那はやっぱりと落胆する。

守護者とリボーンを集めて話したところ、の予想通り反対する者は多かった。
雲雀の厳しい視線を受けながら、柚那はちら…と思案気な顔で顎に手をやっている骸を見る。

骸は柚那に気付くと、申し訳なさそうに眉を八の字にした。


「僕も賛成はできませんね。全寮制だけでも難しいのに魔法魔術学校だなんて……。
綱吉の超直感がその学校が本当にあるというなら存在するのでしょうが、柚那の危険を考えると賛成はし難い。
彼女はボンゴレ十代目の娘。拐われてもしたらどうするんです?
同封されていた地図で、イギリスにその学校があるのは分かりましたが、それでは柚那の危険に我々は気付けにくくなる。全寮制なら尚更です」

「俺も骸と同意見だ。行かせてやりたい気持ちもあるが、柚那に何かあってからじゃ遅い。それはお前も分かってんだろ」

「分かってるよ。分かってるけど、ここなら大丈夫だって思ったんだ」

「ボンゴレの…超直感ですか……?」


ランボの控えめな言葉に、ツナは頷く。

行けるんだと柚那は喜んでいたが、雲雀や骸、それに加えてリボーンが反対するのだ。
これはもう行けないかもしれない、と落ち込む柚那の頭にぽんと温かな大きな手が乗せられ、柚那は目をぱちくりとさせて上を見上げた。

そこには、爽やかな笑みでにっと笑う山本がいた。


「ツナが大丈夫って言うんなら大丈夫だろ。柚那もこんなに行きたいって言ってんだしさ」


な?、と聞いてきた山本に、柚那はこくこくと慌てて頷く。
すると、了平がならば!と声を張り上げた。


「柚那が行きたいと言っておるのだし、ここは行かせるべきだろう!学校に通うことで新しく学べるものもある。俺は極限に賛成だ」

「お、俺も賛成です…。柚那は学校に行ったことありませんし……学校って、楽しいこともたくさんありますから…」

「ありがとう、山本、お兄さん、ランボ。……獄寺くんはどうかな?君の意見を聞かせてほしい」

「俺は……正直言うと、柚那さんを行かせるのはあまりよくないと思います。
……ですが…、柚那さんがあそこまで仰られること自体がなかなかないことです。
今まで、柚那さんはそれをちゃんと理解していて学校に行きたいだとかも仰られませんでしたし、
買い物だってたまには一人で行きたい時もある中、ちゃんと付き添いを誰かに頼みます。
柚那さんが我儘を仰ったのは初めてのこと。十代目が大丈夫だと思っておられるなら、心配はありません。
ここは…、行かせてもいいんじゃないかと俺は思います」


獄寺の言葉に沈黙する彼ら。

柚那は小声でありがとうと獄寺に礼を言うと、いえ…と獄寺は顔を背けた。
ツナが、賛成5反対3だねと言えば、雲雀は眉を寄せて事の成り行きを見ている柚那を見つめた。

普通の子なら思わず泣いてしまうだろう鋭い眼光を、柚那は真正面から平然と受け止める。
伊達に後継者として育てられ、雲雀に鍛錬をしてもらっているわけじゃない。

柚那は目を反らすことなく、雲雀の目を見続けた。


「……君は…僕が稽古を付けていただけあって、以前よりも格段に強くなってる」

「……?」

「その腕なら雑魚には簡単にやられたりはしないだろう。……武器をちゃんと毎日持ち歩くなら許さないこともないよ」

「!、そ、それって……いいの…?行っていいの…?」

「好きにしなよ。ただし、連絡は必ず僕にもすること。鍛錬は欠かさずにやるんだよ」

「はい…!ありがとう、恭ちゃん!」

「で、骸とリボーンは賛成する気はない?」


にこやかに聞けば、ちっと舌打つリボーン。

ここまで圧倒的に賛成が多いなら決まったも同然だろう。
リボーンは、不安気にこちらを見上げている柚那の頭をくしゃりと撫でた。


「主席とれよ。取れなかったら連れ戻すからな」


悪戯っぽくニヤリと笑って見せたリボーンに、柚那はぱっと顔を輝かせた。
それからもちろん!と返す。


「私、勉強頑張るよ!魔法の勉強だなんて楽しそうだもん!」

「柚那、お前英語大丈夫だったな?俺が直々に教えたんだ。忘れてはねぇだろ」

「うん!イタリア語、英語、韓国語、フランス語、中国語、ポルトガル語、みんなちゃんと覚えるよ!」

「ちょ、リボーン!お前、そんなに覚えさせたのか!?」

「お前と違ってこいつは物覚えが早ぇからついな。喜べツナ。こいつの発音は上流階級の貴族のそれだ」

「すごいでしょパパン」

「さすが俺の娘!すごいよ柚那!俺の自慢の子!」


先程とは一変して、ツナは花のように笑う柚那をひしっと抱き締め、それにリボーンは呆れたように肩をすくめる。
この親ばかが、と悪態をつかれたが、ツナはそんなもの気にせずに可愛い可愛いと連呼した。

それを見ていた骸が、はあぁ…と大きなため息をつく。


「まったく…。本当、貴方たちは柚那には甘いんですから」

「お前もだろ骸。後はお前だけだぞ」

「あんなに喜んでる柚那を見たら反対なんてできるはずがないじゃないですか。
認めますよ。これで柚那に嫌われるなんてことにはなりたくないですしね」

「よかったなー柚那ー!入学許可が出たよー」

「うん!ありがとう、みんな大好き!手紙出すから返事頂戴ね」

「ああ!可愛い可愛い可愛い…!別に手紙なんて俺だけに出してくれればそれでいいのにー」

「「ふざけんなよ親ばか」」

「親ばかなめるなよ!」

「パパン、じゃあここに書いてある必要な物買いに行かないとダメだよね。見て!新学期は9月1日だって」

「あと一週間もないし、じゃあ早速明日行こうか。留守番よろしくねみんな☆」

バカ言うんじゃねぇぞ親ばかダメツナが。ここに書いてあるリスト見たのかちゃんと。荷物持ちを連れてけ」

「あ、じゃあ獄寺くんと山本と雲雀さんと骸よろしくね」

「何で僕が―――」

「柚那のためですよ雲雀さん」

「……分かったよ」


わーい!と喜ぶ柚那を持ち上げてくるくる回る親ばか基ツナ。

机に置いてあるホグワーツから来た手紙を骸は念入りに見ながら、何か必要なことはないか確認する。
イギリスに行ってどうするかの手順は詳しく書いてあるから問題はない。
骸はある一文に目を止めて、はしゃぐ親子を見た。


「綱吉」

「なに骸ー?」

「お金は現金を持っていった方がいいらしいですよ。途中、魔法使いたちが使っている貨幣に換金するらしいです」

「なら下ろせるだけ下ろしといてよ。これ俺のカードだから」


ぽいと銀行のカードを投げ渡され、骸はため息をつきながらそれをポケットに仕舞う。

ボンゴレボスなだけあって貯金金額は多額であろうし、学費を払ってもまだまだ余裕があるくらいに彼の懐が潤ってることは誰もが知っている。
骸は念のためとツナに確認をとった。


「下ろせるだけと言われても困りますよ。いくらぐらい下ろしますか?」

「んー、じゃあ一億。それだけあれば足りるだろうし」


ここに普通の一般人がいれば必ずツッコンでいるところだろうが、生憎ここには普通の金銭感覚を持ったやつはいない。
それだけで足りるのかのかとリボーンは聞いているくらいだ。

骸は分かりましたと了解した。


「柚那、明日の準備しよっか!お母さんがお祝いの準備をしてるから手伝っておいで」

「分かった!じゃあママンのところに行ってくるね」

「うん。またあとでね」


ちゅ、と頬にキスをして娘と別れる。

ツナは溜まっている書類に目を向けて、明日から一週間柚那が学校に行ってしまうまでは目一杯娘に構いたいツナは、よしと意気込んだ。


「柚那のために早く終わらせなきゃな」


その時のツナの顔は、娘の喜びを同じく喜ぶ親の顔をしていた。

書類を片付けながら、全寮制というのを思い出しては柚那ーッと泣きわめいていたのは守護者たちだけの秘密である。

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=あとがき=

最近もっぱら魔法ブームなので書いてみました混合夢!
世代は親世代にしようかなーと思ってます。
時間軸全然違いますけど……、個人的に親世代のが好きなので←

寮はやっぱりグリフィンドールだろうか……。
でもスリザリンも……それはそれでいいし…。
とは言え、柚那ちゃんの性格的にやっぱりグリフィンドールですかね。

柚那ちゃんの他にも、ファミリーのご子息ご令嬢をオリキャラとして登場させようかななんて思ったり。
復活と混合なわけだし!←
そこまで話が書けるかさえ不明な突発ネタなわけですけど…。

とりあえず、ここまで読んでくださりありがとうございました!
ではでは、失礼します!

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