妖怪世界

□第二幕
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 旧鼠(きゅうそ)

  
  大ネズミの妖怪     


     仔猫を食べるという  




天敵に毎度おそわれる弱者は
       やがて、ゆがんだ心で牙をむくのだ































































カナとゆらの後を追っていた美月。

すると、いきなり立ち止まってしまった。







青龍(主、どうしました?)


いきなり立ち止まった美月を不思議に思った青龍が声をかけた。









美月「・・・・・妖気がする・・・・・」




ピクッ

青龍もすぐに気づいた


朱雀(!!これは・・・・獣のニオイ・・・ですね)





美月「あぁ・・・・。何か、嫌な予感がする」


そう言って、顔をしかめた。




玄武(人間が襲われてるかもしれませんね・・・・。妖気を辿りましょう。美月様)





美月「分かってる」



ダッ




美月は妖気がする場所へと急いで向かった・・・・・・・。




















































そのころ、カナとゆらは路地裏へと逃げたが追い込まれてしまった。




「キャッ!いや・・・!なに・・・?これ・・・?ゆらちゃん・・・・・」



「・・・・・妖怪変化・・・・昼間・・・説明した通りよ。こいつらは・・・・・獣の妖怪」



「え・・・・・?」




ゆらにそう言われ、昼間の事を思い出したカナ。






『おとなしくしてりゃあ・・・痛い目見なくてすむぜぇー』




「・・・・・ねずみふぜいが粋がるんちゃうわ」




小馬鹿にしたように笑うゆら




『何?』






「後ろに下がって家長さん」



ザッ



ゆらはカナより少し前に出た。










旧鼠『やれお前ら』



その掛け声とともに男達が二人に襲い掛かってきた








「キャ・・・・」







ゆらはすかさず式神を出した




「出番や!!私の式神!!貪狼」





シャッ!!





すると、大きな狼が現れた






グルルルルルッ







『おわッ・・・』



『わあ・・・!!』

『な・・・・・なんだぁー!?狼・・・!?』




慌てふためく男達。

そんなのもお構いなしにゆらは式神で鼠達を倒そうと貪狼に飛び乗った






ガルルルッ



グリグリッ


唸りながら次々と踏み潰していく式神”貪狼”





「貪狼あいつらネズミや食べてしもて」




ガァアァア!!


ガブゥゥゥ!!



勢い良く男(ネズミ)達を噛み砕く




『ヒイィイィ!!』


『なんだこいつぁー!?』

『翼ぁー!!』

「優ー!!」




次々と食べられていく仲間
    そして、ゆらに怯える旧鼠の手下







「こ・・・・こいつ・・・」


旧鼠『式神を使ってやがる・・・術者だ!陰陽師だ!!それも・・・生半可ねぇぞぉ!!』





「いい子やね貪狼」


優しく式神”貪狼”の頭をなでた







「兄貴〜〜〜・・・・」


『きいてねぇぞ』

「旧鼠さんこの女一体・・・」




「旧鼠か・・・・・仔猫を喰う大ねずみの妖怪・・・・人にバケてこんな路上に出るなんて・・・・・」





旧鼠『くくく・・・・こいつぁ三代目はそうとうな好き者だな・・・・』



パサァ


自分の前髪をかきあげた







そしてゆらに近づいてきた



旧鼠『そんなぶっそうなモノはしまいなよ』



ゆらに触ろうとしたとたん・・・・





「さわるなネズミ!!」

ピシィ



ゆらは旧鼠の手を叩いた








旧鼠『・・・・・あ?』


自分のポケットからハンカチをだし、手を拭いた



「・・・・・・?」



「あぁ・・・・」

「やべえな・・・こいつ終わったわ・・・・」


ヒソヒソと旧鼠の後ろで手下どもがつぶやく




パチン!


旧鼠が指を鳴らしたとたん、ゆらの後ろにいたカナが叫んだ




「キャァアァ!!いやっ・・・ネズミが!?」



「!?やめ・・・・っその娘に何するんや!!貪狼・・・・!」





式神を行かせようと式神の名前を呼んだ。



だが、少し遅かった。


旧鼠はゆらのすぐ後ろにいた





旧鼠『やめとけ・・・・ネズミはいくらでも増やせるおとなしく・・・式神をしまえ』





「いや・・・・ちょっと・・・ど・・・どこ入って・・・」



旧鼠『もちろん違う式神もだめだ』


ゆらは成すすべがなくなってしまった


シュルッ




ゆらが式神をしまった瞬間・・・・



ゴッ






おもいっきり殴られた




「な・・・・なんで・・・私たちを・・・・こんな・・・・」


バターン!




意識を失い、地面に倒れてしまった





「ゆらちゃあん!?」



カナがゆらに向かって叫ぶが、答えは返ってこなかった









その後、カナも殴られ意識を失った







旧鼠『お前ら丁重にあつかえよ。こいつらは大事なエサだからな・・・・・」







その場から立ち去ろうとした時、何処からか声が降ってきた











「そうそう。”丁重”に扱えよ・・・・・」



普通の女の人の声より少し低い声






旧鼠『何処だ!!姿を見せろ!』




「・・・・ここだよ・・・・」




バッ!と近くの塀の上を見上げた






「奴良組の奴か・・・・・確か・・・・旧鼠・・・・」





まぁ、どーでも良いけど。



そう言って”スタンッ”と軽々と塀から飛び降りた





「そこの娘達・・・・返してくれる?旧鼠」




冷たく言い放った

 
そして、冷たく言い放った後、旧鼠を睨み、こう言った。






「じゃなきゃ・・・・・・・ここでお前らの組を・・・・・潰してやる」(ギロッ)




容姿に似合わない低く、乱暴な言葉を旧鼠にぶつけた。





























       そして、波乱の幕を開けたのだった
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