太陽と月の恋物語

□第九話
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一君が爆発しました、怖いです。
さっきからずっと正座させられてお説教です。
足が痺れてきました、誰か助けてくれ。

『は、一君…もう許してよう』
「足痺れたし、もうすぐ朝飯だろ?」
「無理だ、大体お前らは…」
「あ、杏ちゃん、平助君、斉藤さん!」

女神という名の千鶴ちゃんがやって来た!


「何だ」
「あの、朝ごはん出来たので呼びに…」
「ちっ…しょうがない、今行く」

舌打ち!あの一君が【ちっ】って舌打ちしたよ!!
恐るべしブラック一君!!


『女神!女神千鶴ちゃん!!』
「はい?」
「助かったよ、ありがとな!」
「え、あの、朝ごはん…」
『はっ、そうだ!早く行かないと新八っつぁんに食べられる!!』
「うおー、急げ!」
『千鶴ちゃんの作ったごはん!何としてでも死守せねば!!
走るよ平助、千鶴ちゃん!』
「おう!」
「う、うん!」


***


急いで広間に行ったけど新八っつぁんに私の朝ごはん半分食べられてたという悲劇。
あぁ、泣きたい!

『むぎゃー!馬鹿!新八の馬鹿!!』
「うるせぇ、自分の飯は自分で守れっていつも言ってんだろ」
『新八とかマジ死ねばいいのに』
「おい、今何て言ったおいっ!」
『馬鹿で阿呆な新八はマジで死ねばいいのにって言ったけど何か?』
「ちょっと待て最初より増えてんだろ!」
『あー、うるさいうるさい。
朝っぱらから清々しいくらいうるさくてウザいね新八っつぁんは』
「んだとてめっ、もっかい言ってみやがれ杏!!」
『新八っつぁんは朝っぱらから清々しいくらいうるさくてウザいなーって』
「おぉそうかそうか、そんなに俺に拳骨されたいか」


指の関節をポキポキと鳴らしてニヤリと笑う新八っつぁん。
あれ、これ…あたしマジで殺られちゃうパターンですか!?

『すんませんあたしが悪かったって!謝るから拳骨は止めてえええぇえ!!』
「俺を怒らせたお前が悪い」
『ちょっ、やめっ…ぎゃあああっ!!』


時は卯の刻、新選組屯所に零番組組長の悲鳴が響いたとか響かなかったとか。



2010.10.23

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