きゅうじょにっき。
□第2話
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「…!…!!…、起きろやボンバーマン」
「え、どこどこ!?」
起きたらニッコリきらきらスマイルなミズゴロウさんが仁王立ちしてました。
すげーなお前!
「ん?起きた?どうかしたの?」
よく言うよ。
起きて早々ずいずいと家(?)の外へ引っ張り出そうとするミズゴロウ。ねぇ、ご飯まだ?
「んなもんねーよボンバーウーマン」
「よく英語知ってるな」
またもや仕方ないので外へ出てみることにした
「今日から救助隊開始だ!頑張ろうね!…といってもまだ仕事ないんだよね。ハハハ」
乾いた声を出すミズゴロウ。干からびる前にご飯食べようか。
「ねぇ、郵便受けは?」
「そうだ!ちょっと来て!」
郵便ポストには、救助隊を作った人たち全員に配られる"救助隊スターターセット"があった。
「これ…バッチ?」
「それは救助隊バッチっていってね、ダンジョンにいる救助を求めているポケモンにかざすと、そのポケモンがひろばに強制送還されるんだよ」
つまり、救助をするにあたって必要不可欠ってことかな?ごめん自分で言ってて意味分かんない。
「これは…道具箱だね」
「道具箱?……四次元ポケットとか、マジカルポーチとかじゃなくって?」
えー何それーあははーと笑うミズゴロウ。うん、素で笑ってるけど、その箱から不穏な風が出てきてるよ。
ヒューヒューいってる!ひぃいいい!!は、早く閉めてぇええッ
分かってくれたのかミズゴロウはそっと道具箱のふたを閉めた。
「んで、最後にこれはポケモンニュース。人間世界にある新聞と一緒だよ」
「あ、なるほどー」
バサッバサっ
「あ、あれペリッパーでしょ!?おはようございます〜」
「お疲れ様です。彼らがいつも配達してくれてるんだよ」
「おはよう、君たちが今日から活動するジェッターズ?お互い仕事頑張ろうね。」
それじゃ!と手を振って彼は飛んで行った。
「で、問題のポストの中身だけど…すみれ、読んでくれる?」
「うん、ちょっと待って…ね……うん、えっと。」
「?」
「ヨメナイ」
「ですよねー」
ビビビ!君達ノコトハキャタピーチャンカラキイタ。
タノム。タスケテクレ。
コイルガピンチナノダ。ドウクツニ フシギナデンジハガ ナガレタヒョウシニ…コイルトコイルガ クッツイテシマッタノダ…。
「難しい言葉を全部カナ文字とか、迷惑メールならぬ迷惑手紙か?」
「言いたいことは分かるけどとりま、黙れ」
「はーい」
レアコイルトシテ イキテイクニモ イッピッキ タリナイシ、コノママデハ チュウトハンパダ。
オネガイダ。タスケテクレ。
ビビビ。
-コイルー
「いるいる、メールでしゃべり言葉にしてしまう人」
「それにしても初仕事だね!」
「よっし、近所の星から宇宙の果てまで参上します、ジェッターズ!…これ言ってみたかったの!!」
「あっそ」
軽くあしらわれてしまった。
◇◆◇◆◇◆
inでんじはのどうくつ
「オオキテクレタカ。ビビビ!
コノドウクツニワレワレノナカマガイルノダ。タスケテクレ!ビビビ!」
どうやら仲間のコイル…依頼主らしい。
B6Fに居ることも教えてくれた。さすが電波。
「で、はいったはいいけど」
「すみれはポケモン詳しいんでしょ?ノーマルタイプの技とか思いつかない?」
「といってもねぇ」
ここはノーマルタイプとでんきタイプのポケモンがいるのだ。ついでにいわタイプもまちまち。
だとすると、まぐれで出た"かみなり"はここでは使い勝手が悪い。
「それにまぐれすぎて…びびび。」
「だから、特訓するんでしょ」
そうだね。そうだよね。そうですよね。
仕方ない、なるようになるさ!
「…!(あたれ!)」
目の前で我を忘れているポチエナがいる。
コイルのいう「不思議な電磁波」?でも関係しているのだろうか。
ピカチュウ特有のすばやい足で一気にポチエナとの間合いを詰める。
「でんこう、せっか!」
「やった!」
すばやい体当たりを受けたポチエナは倒れた後ゆっくりと立ち上がった。
「…有難う。なんか周りの空気が変わったと思ったら…」
「平気?一人で家に帰れる?」
「うん!」
ポチエナはしっかりとした足取りで私たちの来た道を辿って行った。もう大丈夫だろう。
「…いそごう。」
◇◆◇◆◇◆
「ビビビ…ドウスルンダ、コレカラ」
「ビビ、ドウスルトイッテモ…ヘタニウゴクトトバッチリヲクラウゾ」
「あ!あそこにいた!」
「おーい、コイルくーん」
繋がったまま途方に暮れている二匹のコイルを見つけた。
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