**黒白の狭間**
□第一夜『出会い』
2ページ/8ページ
「ん〜?」
燃えるような赤毛と翡翠色の瞳、すらりとした体躯の青年。
彼は不意に立ち止まった。
「どうした、ラビ」
そう声をかけたのはブックマン。
名を持たず、常に傍観者として、裏歴史を記録する者。
ラビと呼ばれた青年も、そのブックマンとなる者である。
「・・・いや、なんか爆発音っぽいのが聞こえた気がしたんさ」
そう言って、じっと、薄暗い森の方向を見つめた。
「・・・ちょっと行ってくる! アクマかもしんねェしさ!」
返事も待たず、ラビは森に向かって駆け出す。
小型ホルダーに収納してある武器に手を伸ばしながら。