**黒白の狭間**
□第二夜『入団』
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「・・・君たち一体何してくれたんだい?」
眼鏡を押し上げながら、コムイは聞いた。
視線の先には、あの少女が座っていた。
少女は、連れて来られてすぐに目を覚ましたのだが、それっきり、誰とも目を合わせようとせず、喋ろうともしない。
「や・・・オレは何もしてねェ・・・ι」
弁解するラビの横で、神田はフンッとそっぽを向く。
「ユウのせいだろ〜、まったく・・・」
「オレは任務をこなしただけだ」
「それにしたって、やり方ってモンが・・・」
「・・・うるさい」
突然、ラビの言葉にかぶせるようにして、少女が口を開いた。
「お前ら、うるさい。私を何のために連れて来たわけ?」
そして、初めてコムイの目を見た。
「私は、あそこにいなきゃならないの。早く帰らせてよ。」
「・・・・・・」
コムイは、しばらく黙った後、静かに言った。
「ゴメン・・・。それは出来ないんだ。
君が本当に神の使徒ならね。」
「神の・・・使徒・・・? 何それ・・・」
「神の使徒っていうのは、イノセンスに適合した者のことで、僕達はエクソシストって呼んでるんだけど・・・。
まぁ、アクマを倒すのが主な役目かな?
あっ、イノセンスとアクマは・・・、んーっと、話せば長くなるんだけど・・・」
「・・・もぅいい。聞くのめんどいし、関係ないし」
「まぁ、確かに、イノセンスの件(くだり)とか、結構複雑さ〜」
ラビが頭の後ろで手を組んで、だるそうな声を出す。
「そういえば、ラビも全然聞いてなかったね。ブックマンだけが真剣だったよ。
でも聞いてもらわなくちゃ。関係なくないんだし。
それじゃ、先にヘブラスカに会いに行こっか」
「・・・誰それ」
「会えば分かるよ。そうだ、君の名前教えてくれるかい?」
「ヤダ」
「おぉぅ。きっぱり言ったな〜ι」
「え〜、でも教えてくれないと呼び合えないよ〜。僕らはこれから仲間になるんだしさ〜」
「・・・っ! 仲間・・・?」
その時、少女の目が鋭く光った。