**黒白の狭間**
□第四夜『初任務』
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「―――ユア起きて。そろそろ目的地よ」
ユアとリナリー、そして数人のファインダー部隊の人たちは、もう何時間も汽車に揺られていた。
いつの間にか寝てしまっていたユアは、リナリーの声で目を覚ます。
「ん・・・。私どんくらい寝てた?」
「3、4時間くらいかしら」
「えっ!? そんなに寝てた?」
「疲れてたみたいね」
「ん・・・昨日ちょっと寝られなかっただけ。カラダは元気」
「そう。ならいいんだけど。
アクマと戦うのが初めてじゃないって言っても、やっぱり心配だし」
心配性だなぁ、とユアは感じた。
でもそれは、彼女が仲間をほんとに大事に思ってるから。
それが伝わってくる。
そのまっすぐな気持ちが、ユアにはいつも眩しかった。
「あ、着いたみたい。ユア降りるわよ」
「うん」
ユアたちは、荷物を持って汽車から降りた。
ここはイタリアの都市圏外。
あたりは何もなく、とても寂しいところだった。
「・・・あの森? アクマが異常発生してるっていうのは」
リナリーが真剣な声で聞く。
「はい。今のところ、出会ったのはレベル1だけでしたので、結界装置(タリズマン)で何とかなりましたが・・・。
しかし、少なくとも50体はいました。
村の人によると、以前はこのようなことはなく、数ヶ月前から突然、とのことです」
「やっぱ・・・なんかあるって考えるのが自然か。イノセンスかどうか分からないけど」
「そうね・・・。
とりあえず、宿にいって荷物を置いてきましょう。この状態じゃ戦えないし」
リナリーがそういい、皆は宿へと足を向けた。