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□災難の嵐
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ある天気の良い日

サウザンドサニー号は、その天気に似つかわしくない状況だった



「「「待てウソップ〜!!!」」」

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!」

「観念しなさい!!」

「ひいぃぃ!こっちくんな〜!!」

「無駄な抵抗はやめろ」

「あほか!誰だって抵抗するわっ!!」

「大人しく俺らの晩飯になりな」

「誰がなるかァ!!」


律儀に一人一人ツッコミを入れながら全力で逃げ回るのは、この船のアイドルこと、ウソップだ


「はぁ、はぁ…もう諦めろよ…」

「それはこっちの台詞よ」


どうして彼がこんな状況に陥ったのかは、二時間前にさかのぼる













「ウソップ〜遊ぼーぜ!」

「あー…ごめん‥」

「残念だったな、ゴム。ウソップは先約があんだよ!」

「いやだ!!ウソップは俺と遊ぶんだ!」

「ルフィ、ごめんな…明日遊ぼーぜ!」

「ぶぅ〜!」

「…おい、ウソップ貸せ」

「あ?ウソップは俺の手伝いすんだよ!」

「ウソップ、行くぞ」

「わっ!ちょっ…ゾロ!」

「聞こえなかったのか?クソ毬藻…」

「うるせェ」

「テメェ…」

「ウソップ!ブレスレットが壊れちゃったの!なおしてくれない?」

「えっ、ナミも…?」


「あらあら、モテモテね長鼻君」

「ロビン〜!どうすればいいんだ?ι」

「じゃあこうしましょうか、鬼ごっこで長鼻君を捕まえたひとが、今日1日長鼻君を好きなようにできる…どうかしら」


そして、冒頭に戻る…



「ウソップは俺と遊ぶんだ〜!!!」

「ぎゃあぁぁぁ!!」


ただ捕まるだけならこんなに必死に逃げたりしないのだが…どうしても気になるのだ、ロビンのあの言葉が…

「好きなようにできる」


もし、サンジやゾロなんかに捕まったら…
それこそ本当に好きなようにされてしまう

ウソップは、それだけは避けたいと思っていた


少し、考え事をした隙に


ガシッ!


「ひいぃ!」

「捕まえたァ…」

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!サンジ!!」

「んじゃ、こっち来ようか?ウソップ…」

「ぅ…ぞろぉ!たすけ…」


ぎゅっ


「はい、ダメ〜」

「うぅ‥サンジ、嫌…」







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