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□いつだって
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■白石視点

わかってる
謙也が皆に好かれてることぐらい

でもアイツは鈍いから、優しいから
不安になる


この間だってそうだ


女子に告白されてたり
(天然なのか普通に『…どこに?』と返していた。女子ざまぁ)

わざわざ違うクラスの仕事自分から引き受けて手伝ったり
(お人好しにも程がある。仕事押し付けた奴毒草食わす)

そうして、たまに
謙也のそれらの行為が

俺の事が嫌いだからやってるんじゃないだろうか、とか
他に好きな奴が出来たんじゃないだろうか、とか

何の根拠もないマイナスな考えが頭の中に浮かぶ


要するに、謙也に近づく奴等全員に嫉妬をしてるのだ、俺は

例え、同じ部活のやつであろうと関係無い


俺は、謙也がいればそれでいいんだ



「謙也」

「おぉ白石、どないしたん?」

「なんか最近他の奴等と仲ええやん、何しとんの?」

「何って…別に何もしとらんけど…」

「ホンマに?」

「なに疑っとんの」

「そら謙也が浮気しとらんか心配しとんねん」

「はぁ?!」

「他の奴等と距離が近すぎんねん
 隙多すぎやで」



「……そんなん、自分かてそうやん」



ぽつり、と、声が漏れた



「…なにが」

「自分かて、女子の荷物持ってた、手伝ってた
 みんなに愛想良うして、めっちゃ狙われてるやん」

「謙也…」

「俺も心配するわ
 捨てられるんやないか、嫌われたんやないか、て」


やばい、どうしよう
めちゃくちゃ可愛い


「…なぁ謙也、俺めっちゃ嬉しいねんけど」

「なっ!俺は本気で!」

「うん、わかっとるよ
 わかっとるから嬉しいねん」

衝動が抑えきれなくて抱きしめる
おずおずと、俺の背中に手を回す謙也


「…なぁ、白石
 俺んこと、捨てへんよな?」

「当たり前やろ、アホやなぁ謙也は」


本当、嫉妬が馬鹿らしく思えてくる
俺は謙也がいないと駄目で、謙也も俺がいないと駄目

まぁ、今はそれでいいか
だって

いつだって
君さえいればそれでいいんだ


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