事実は小説よりも奇なり

□事実は小説よりも奇なり:第一話
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さて、一旦落ち着け俺
まずは今日一日を振り返ってみよう

朝はふつーに起きて、走って、飯食って、洗濯した
異常なし、だ

昼もふつーに飯食って、原稿進めて、昼寝した
同じく異常なし

夜はまた原稿進めて、飯食って、風呂つくって
そうだここまではいい
なんら異常は、ない

だがこの27年間生きてきてこの佐倉翔、いきなり人が現れる、
なんて非現実的な体験をしてる
異常以外の何物でもないな

普通無い
あってたまるか、俺の常識を返せ

「ぅ…ん…」

寝てる奴の声で我に返った
とりあえず体調崩されても困るから毛布をかけておく
嗚呼、俺って優しい
って現実逃避をしてる場合じゃない
どうするか、警察に連絡とか?

「ぁあ…?」
「あれ…ココ…は…?」
「……どこじゃ、ここ」

あ、起きた
…話を聞いてからでも、遅くはないか

「…気分はどうだ?
 どこか、具合が悪い所とかあるか?」
「「「!」」」

話しかけたら一気に警戒の眼差しを向けられた
当たり前の反応なのだが、心が痛いのは何故だろう
…ま、起きて間もない奴に状況を把握しろってのが無理な話か

「…ねぇ」
「あ?何?」
「…おい、ふざけるのも大概にしろよ、お前
 俺様達をどうするつもりだ?アァン?」
「…はぁ?」
「はぁ?じゃねぇ!」

そう言って床を叩く…えーと…泣きボクロ

「つまり、お前さんがなんで俺らを此処に連れて来たか
 っちゅーのを知りたい訳じゃ」

なるほど、わかりやすい

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