事実は小説よりも奇なり

□事実は小説よりも奇なり:第三話
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一応勉強面での問題は解決したことにしよう
いや、もうしたことにする、面倒だ
続いては生活面だが

「えー、服や日用品は明日買いに行く
 悪いが今日はその格好で寝てくれ、部屋はどれを使ってくれても構わない」
「風呂はねぇのか?」

えー、何コイツ何この俺様
今着替え明日買いに行くっつったんだけど
風呂とかガッツリ着替えいるじゃん

「…風呂入りたい?」
「本音を言うとな、若干汗もかいとるし」
「あー…いや、別に入っちゃいけないって訳じゃない」

訳じゃないが、
風呂に入るとなると、必然的に替えの服が必要になる
だが生憎、この独身一人暮らしの家に、中学生に合うサイズの服を持ち合わせていない
こいつらがもう10cmでかければ…結構出てくるんだけどなぁ…

「代えの服がな、仁王と跡部なら、多少でかいかもしれないがあるんだよ
問題が不二なんだ、お前、170ないだろ」
「…うん、今167cmかな」

あされば出てくっかなー…
なんか、母親とかってすっげぇ俺らの為にやってくれてたんだなぁ…
この状況は親のありがたみわかるわ、うん

はぁ、

「わかった、お前らが風呂に入ってる間に、俺は服を探す
 但し、風呂はそう広くない、が二人ぐらいまでなら余裕で入れる
 んで、他の二人が入ってる間に、残った奴は俺と一緒に服探しな?
 俺の提案に反対意見、もしくは他の意見のあるやつ、いたら挙手!」

言いきったー、若干息切れしそうになった…

「うん、それでいいと思うよ」
「俺様は先に風呂に入らせてもらうぜ」
「跡部、一人がええか?」
「別に一緒でも構わねぇ」
「ほんじゃ俺も入らせてもらうかの」
「じゃぁ僕は翔さんを手伝うね」
「ありがとな、不二」

さりげなく名前呼びだったな、今
そんで俺が苗字で呼んだらちょっと不満気な表情
思春期って難しいんだな

「タオルとかここ置いとくからなー」
「あぁ」

チラッと見えたがしっかりした体だなぁ
やっぱ鍛えてんだな、さすが中学生だ
なんかスポーツやってんのか

「お前らって何かスポーツとかやってんの?」
「うん、全員テニスをやってるよ」

ということはこっちでも続けなきゃ体はなまっていく一方ってことだ

「スポーツショップってどこにあったかな」
「どうかしたの?ブツブツ言ってるけど」
「いいや、なんでもねぇよ、さっさと探すか」
「うん」

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