birthday

□嘘吐き
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※時間の軸がぶれてるのは気にしない!
※4月なのにこんなに親しげなのは四天宝寺クオリティだからだよ!
※3年が卒業してないとか色々矛盾してるけど気にしたら負け!
※関西弁の仁王だと思ってくれればいいと思うよ!







今日、四月十四日は白石の誕生日や
一体どんなサプライズでヤツを祝ったろうなぁ…

さぁ、どないしよか…♪


考えた結果、まずは白石に変装して金ちゃんに近づいてみた

「あ、金ちゃんちょおこっち来ぃや」
「?なんやー?白石ぃ?」
「今日は特別に試合したるわ」
「えぇのん?!白石!?」
「いっつも金ちゃん頑張っとるからなぁ
ほら、コート入りや」
「ぃやったーー!しょーぶっしょーぶっ!!」
「ハハッ、元気やなぁ
…あ、ごめんな金ちゃん、部室にタオル忘れてもーたわ
取ってくるから、先コート入っててや」
「えーっ?しっかりしてぇや白石ー
でも、手加減なしやでー!!」
「ははっ、お手柔らかに頼むわ。ほないっちゃん奥のコートな」
「わかったわ!」

案外ちゅーか予想通りっちゅーか
めっっちゃ簡単に騙せるって警戒心なさすぎやろ
そこは白石、流石に手懐けとるわ…部長の名は伊達ちゃうっちゅーことか
お、ほんまに部室におったわ変態が
ついでにもう変装はといてるで
探しに来た感じでドアを開ける…完璧や(あ、白石になってしもた)

「おー、おったおった。
白石ーなんや金ちゃんが呼んどったでー?
なんや『球出しして欲しいからいっちゃん奥のコートに来てやーっ』ってゆーてたで?」
「あ、そうなん?金ちゃんが練習自分からやるなんて珍しなぁ
ほな行ってくるわ」
「ラケットとタオル持っとき、今日暑いでー」
「おおきになー有哉ー」

フッ、計 画 ど お り
白石のヤツも詰めが甘いわ
俺がなんかが言うた言葉は8割嘘やと思わんとやってられんで
今行ったら確実に白石に怒られるからー、後で試合見てひやかしたろー


部室にいる間はずっとどう騙すかを考えとった
ついでにサボタージュ。サボり万歳
さて、俺も試合観に行こかなっと




「スーパーウルトラグレートデリシャス大車輪山嵐ーーーーー!!!!!」

おーやっとるやっとる
白石みごとに混乱してるわ、あーおもろい
あー、でも白石のが優勢やな…
チッ、つまらんわ

「7-5!ウォンバイ白石!」
「ゼェ…ゼェ…やっぱ、危険やあん技…
コラ金ちゃん!あれだけスーパーウルトラ(ryは駄目やって言うたやろ!
ちゅーか球出しして欲しい言うたんは金ちゃんなんやろ?
なんで試合になっとんねん!」
「ぅ〜…せやかて白石が試合してもええってゆーたやん…
そない怒らんでも…」
「…ん?ちょい待ち、金ちゃん、俺そんなん言うた覚えない…!!」

あ、バレたわコレ
いやーなんや白石の後ろに人の世の物ではないもんがみえるわー
おそろしいやっちゃなー
噂のスタンド使いかー

「有哉ー!!自分またやりおったなぁぁああ!!」
「え、有哉がやったん?」

あー、ばれたー
ま、ここは三十六計逃げるにしかず!

「ふはは、ばれてはしょーがない
さらばや、エクスタ部長ー(棒読み」
「ちょ、やんならちゃんとやれや!
ってエクスタ部長てなんやねん
逃げんな有哉ーーー!!
まてごるぁぁあああああああああぁぁぁぁ!!!!!」

「…ホンマにやるとは思いませんでしたわ…」
「あー…まぁ、有哉らしいわな…
…ほな、準備しよか」
「蔵りんきっと驚くわねぇvV」
「小春!そんな重いもん持ったらアカン!俺が持つ!」
「?なぁ、なんの話なん?」
「あれ、金ちゃんに誰も言うてなかったけ?」
「聞いとったら試合せんやろ、あんなぁ…」






さて、現在進行形で逃走中な訳やけど

「待てぇぇぇぇやぁぁぁああ!!」
「鬼さんこちらしか言えへんでその顔」

未だに人の世のモノではないものを連れて(憑れて?)追いかけて来る白石の顔には疲れが見え始めとる
そりゃ、あの金ちゃんとフルゲームやって(しかもゲームカウント7-5まで)
すぐにリアル鬼携えおいかけっこをするのってスタミナ結構ある俺でも死ぬわ
さーて、どんくらい時間稼ぎしたらええねんかなー
後でメールいれとこ

「ちょ、…有哉…!
い、加減、とま、れ、やぁっ…!」
「えー、やって白石めっちゃ怒っとるやん
捕まったらとって喰われる危険がある」
「も、えーか、ら、べ、つに喰わんし!休ま、せろ……!」
「ちぇー、もうちょい粘れや白石ー
ま、しゃーないからそこの公園で一時中断、またの名を休憩しよか」
「おぉぉ………」

公園のベンチに人一人分の微妙な距離で座る
なんとなくやけど、気まずい空気が流れる
顔色を窺おうにも前髪が邪魔で上手く表情が読み取れない

「あー、白石、へーきか?」
「………別に」
「エ〇カ様か自分…」
「………」
「…………」
「……………」
「………………」

沈 黙 が 重 い !
どないせぇ言うんじゃ
白石に話してええんか?いや、その前にメールしよ
あ、電話のが早いか?いいわ、電話にしょ
携帯を取り出して、助けを…じゃなかった、進み具合を聞く
電話ー…謙也でええか

「…なぁ有哉」
「あ、スマン白石、ちょお電話」
「あ…」
「あ、もしもし謙也?そっちどうや?……ん、……あとそんだけ?せやったら、後十分くらいでいけそか?……、わかった、じゃ、あと十分でそっち向かうわ、ん、ばいばい」

順調順調、じゃ、後十分場を持たせれば終わりや

「終わったん?」
「終わったー、で、なに?白石」
「…なんで今日は俺に変装して俺と金ちゃん試合させたん?
なんか企んどるやろ?」
「別に」
「エ〇カ様か」
「まー、それはおいおい分かるで」
「おいおいてなんやねん」

こんなくだらん会話を十分続けた
よぅ間が持ったと自分でも思った

「そろそろ時間やな、白石、ガッコもどろ」
「げ、もうこんな時間か!?」
「はよせんと部活終わってまう、はよ行こ」










「あー、俺としたことが…」
「もう皆部室行ったみたいやな、俺らも行こやー」

グイグイ白石の背中を押す
そりゃもう痛いぐらいに

「ちょ、そんな押すな!痛いわ!」
「ほら、部室開けて」
「ったく、なんやねんもう…」

ガチャ

「「「「「「「白石/部長誕生日おめでとさーーーん!!!!!!」」」」」」」
パンッパンパンパン!!!


「……は?」

クラッカーの紙まみれになった白石は、そりゃもう面白かった

「今日、誕生日やろ?何呆気にとられた顔してんねん」
「蔵りんおめでとっ♪♪これウチとユウ君からVv」
「お、おぉ、おおきに」
「部長、コレおれらからっす!」
「おーきに…?」

俺は呆気にとられた奴の顔を何度も見てきたが、今回のは傑作だまじで

「え、まだ理解しきれんのやけど、何?コレ」
「俺こと有哉主催の白石サプライズバースデー計画」
「有哉主催とか不安要素満載やなオイ」
「よぅわかったなぁ!不安要素満載って!」
「まだなんかあるんか…?」

そんな身構えんでもええのに

「はい、俺からのプレゼント」
「…ビックリ箱やないやろな…」
「開けてみいて」

ガサガサと手際よく包装紙を開けていく
中身は前に白石が欲しがっていたグリップテープだ

「これ…?」
「いつも嘘ばっかついとるお詫びの気持ちやと思ってくれや
あと、好きや」
「…はぁ?!
…なぁ有哉、それ、嘘?本当?」
「さぁ、どっちやろな?」
「ちょ、有哉?!」

嘘吐き
彼は嘘をついて本音を言って、いつも周りを困らせる

 

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