短編

□アニス独白
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突然ですが、私ことアニス・タトリン(13)は只今恋愛中です!
その人の名前は、アインって言うの。彼は私のお兄ちゃんだけど、一人の男性として愛してます!きゃは、言っちゃったぁよぉー!
あ・・・ゴ、ゴホン・・・えと、アインは私よりも五歳年上で同じオラクルに所属していて、彼は第四師団に籍を置いて役職は違うけれど、昔から導師守護役――今、私が働いているところ!――として活躍していたから、時々こっちにきて私と一緒にイオン様を警護してくれるの。だからその時はアインに誉めてもらえるように、いつも以上に張り切っちゃう!
あと、アインに髪を撫でてもらうと、すっごく気持ち良いんだ。包容力?みたいなものがアインにあると思うの。だって抱き締められると、アインに包み込まれているような気がして・・・でへへぇ〜、きゃわぁ〜ん!
やば、ドキドキしてきちゃったよぉ。いけないいけない。
あと、髪をすくのもすっごく上手で、この髪型も彼にしてもらってます。
更にアインは性格も良くて容姿端麗――贔屓目からじゃなくて誰からも見てイケメンの部類に入るんだって――だし、料理上手――私より上手だから、食事するときはいつも二人で当番制――なの。
でもなんていったって教団内じゃ、かなり強い方なの。あの首席総長と同じくらいだろうってイオン様が言っててそれをアインに話したら、俺なんかアイツの足元にも及ばない、って言ってた。自分の実力を鼻にかけず謙遜しているアインはとても素敵だけど、そんなことないもんね!模擬戦――首席総長はこれには出ていなくて、直接実戦形式で指導しているみたい――でアインは未だに無敗を誇っているもの。そりゃあ、引き分け――しかも相手はリグレットで殆どが時間切れで――とかもあるけれど、私はアインが負けた姿を一度も見たことない。倒れ伏しているところなんて想像がつかないぐらい、滅茶苦茶強いんだから。タッグを組んでみれば分かっちゃう。隣にアインがいるだけで自然と安心感と勇気が湧いてくるんだから。この人がいれば大丈夫、何も怖いことなんてなくなってくる。だから、アインの近くにいると一番落ち着くの。そして、あの笑顔を見れば・・・って、今もまだアインの綺麗な顔を見つめ続けることは恥ずかしくてとてもじゃないけど出来ないけど。
ん?何で血を分けた兄に恋をしたのかって?
う〜ん、何でだろ?ただ、あの人のことをいつの間にか異性としての気持ちを持っていたんだよね。
本当にアインの一つ一つの仕草が堪らなく好き。私を見つめるときの優しい眼差しが好き。私を呼ぶ時の落ち着いた声も好き。もう、アインにだったら色々な事何でも許せちゃう!何だって平気!その、夜の・・・きゃあ!アニスちゃんたら大胆っ!!はぅあ・・・は、鼻血が・・・。
ほんと、この気持ちに嘘はつきたくないんだ。しょうがないもん、いつの間にか好きになっちゃったんだから。世間体なんて言葉は私の辞書に載ってないから。それに自分に正直に生きていくってあの日から決めたの・・・。
皆から――不本意だけどアインからも――は、アニスは守銭奴だ!とか言われてるけどそれは、少しでもアインに貧しい中でも美味しい料理を作ってあげようとしてるだけのことなんだ。私はアインと一緒にいられるだけでいいの。それはとても幸せなことだって知ってる。慎ましく一緒に何時までもいたいの。我が儘でも構わない。私はアインさえいてくれれば、他は何も要らない。何もかも投げ捨ててアインに付いていく覚悟はもうとっくの昔に出来てるんだからアニスちゃんを嘗めないでよね。
改めて・・・私の願い事は一つ・・・大好きなアインと一緒にいられますように・・・あ、もう一つ・・・アインが健康でありますように・・・いやいやもう一つ・・・出来るならアインのお嫁さんに・・・うわっひゃあああああああ!!!もう!お嫁さんだなんて!!・・・うへへへへぇ〜〜
おっと、涎が・・・。

あ、それじゃ!時間みたいだからそろそろおいとまするね!今後とも私とアインのラブラブっぷりをキチンと見ておくように!!ぐふふ。
ばいばーい!!

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