嘘つきハニー

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日差しが厳しさを増し始めた頃、桜咲学園も夏休みを迎えた。

コンコン

「はーい。」

鞄の中に居れていた教科書を出して机の引き出しにしまっていると誰かが桃真の部屋を訪れてきた。

「俺だけど、入っていい?」

「萱島!?…あ、うん。」

桃真の返事を聞いて萱島はドアを開けた。

「何か…用?」

「今年はクーラー点くの食堂だけなんだって。みんな陣取りするらしいけど桃真は?」

萱島は自分の枕を桃真に見せる。

「あー……行く。ちょっと待って。」

「うん。」

桃真は急いで教科書を片付けて枕を手に取った。



















「瑞稀ぃ!ゲットしたぞ…」

「おぅ!サンキュー!!」

闘いに勝った中津が芦屋にそう言うと芦屋は礼を言った。

パタン

力尽きた中津はその場に倒れこむ。

「うーわ、鼻血出してるし…中津、大丈夫ー?」

桃真は中津の頭の辺りに座り込み、中津の頬を突いてみるが反応はない。

「…成仏しなよ、中津。」

続けて桃真はティッシュを取り出し広げると、中津の顔を覆うようにして乗せて手を合わせた。

「って俺死んでねぇし!」

「知ってるよ。早く鼻血拭きなって、みっともない。」

中津のツッコミに冷たい反応をしながら桃真はティッシュの箱を中津に差し出した。




















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