嘘つきハニー

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次の日。

「そう言えば、来海って何で暗いとこ苦手なんだ?」

「へ?」

唐突な質問に桃真は変な声を上げてしまう。

「いや、だって怪談とかは平気なんだろ?普通、怪談の方が怖いってヤツ多いじゃん。」

「…大した理由じゃないけど…そんなに聞きたい?」

桃真が聞き返すと芦屋は頷いた。

「……うちん家は昔から両親共働きでさ。小さい頃から1人でいることが多かったわけ。んである日、昨日みたいな停電があった。」

芦屋は真剣に話を聞く。

「まだ子供だから何で電気が点かないのか分かんないし、誰も助けてくんないし…って言うのが何回もあって…トラウマ?になった。」

「へー、来海って可愛いとこあるんだなー。」

全部言い切って芦屋は自分の発言がヤバいことに気付いた。

「ごめん!今のはわざとじゃ…」

「わざとやってたらマジで怒るよ。まぁ、いちいち怒ってたら芦屋の場合キリないし、いいや。」

桃真はため息をついた。

「…ごちそうさま。」

桃真が芦屋と話をしている間に朝食を終えた萱島は立ち上がった。

「食べんの早っ。」

「ちょっと用事あるから。桃真はゆっくり食べてていいよ。」

そう言って萱島はいなくなった。

「来海、まだ萱島と気まずいままなのか?」

「…なんか、どうしていいか分かんないんだよね。」

桃真は先程とは違った意味のため息をつく。

「どうしていいかって?」

「前にも言ったじゃん。なんか動悸がするっていうか…熱っぽくもなるし…」

再びため息をつきながら、桃真は頭をガーッと掻く。

「ダメだ。気晴らしに散歩してくる。」

「え?ちょ、来海!?朝飯途中…」

芦屋が引き留めようとしたが、桃真はもう居なかった。
























「言いふらしてもいいんだぞ。中津と俺が深ーい関係だって。」

「何してんですか。」

「へ?桃真!あ、いやこれは…」

ドンッ

たまたま通りかかった桃真は梅田が中津を押し倒しているような光景に思わず話しかけた。

中津は慌てて梅田を突き飛ばす。

「痛ぇなぁ…で、誰なんだよ。お前が好きな男って。」

「中津って男が好きだったの?」

「違ぇよ!俺は男が好きなんじゃなくて…でもあいつは男で…あれ?俺男が好きなのか?」

中津は混乱し始める。

「だから、お前が好きな男って誰なんだよ。」

梅田は中津から聞き出そうとする。

「…芦屋…瑞稀です…」

「「何だ。」」

中津の答えに桃真と梅田はがっかりしたような反応を見せた。

その反応に不満はあったが、一刻も早く梅田の側を離れたい中津はさっさといなくなった。

「案外鋭いじゃねぇか。」

「ですね。」

中津を見送りながら2人は呟く。

「で、お前は何に悩んでるんだ?」

「え?」

桃真がキョトンとして梅田を見ると梅田は「はっきり顔に書いてある。」と答えた。

「(動悸と熱っぽさが病気なら…梅田さんに聞くのが早いよね…)」

桃真は梅田に相談することにした。





















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