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小さな
小さな

story
◆変化 


「おっ今日ははやいなぁ!」
「局長っおはようございます!!」

よしっ気付け!!
いつもよりちょっと近いぞっ

「ん?んー?なんか違う」

ふふん
そうそう、何が違うかわかるでしょ

そのためにいつもよりちょっと早めに来て
偶然を装って朝御飯たのんだんだから
さぁさぁさぁっ

「んー気のせいか?」

。。。。。はぁ
鈍感を擬人化したような人には
ちょっとレベル高すぎたかな

しゃーないっヒント!

「え、胸より上?」

っていうか首より上だけど
気づいてほしいから言わない

「胸でかくなった!」

ちげえよ下ネタゴリラが。
そりゃてめえの願望だ

「あう。。。だからって殴らなくても」
「ってゆーか、自己申告するような子とじゃないでしょ」
「あ、そっか。腰から上ぇ、腰から上ぇ」
「わからんもんですかねぇ?」
「あっシャンプー変えた!」
「あんたは犬か!」
「いえッどっちかっていうとゴリラです!」
「どっちでもいいですそんなの!髪切ったの!!」
「えぇぇえええ!」

そんなにわからないもの??
だって20cmもきって
おまけに毛先だけちょっと染めて
ゆるーくだけどパーマもしたのに!

総悟と山崎さんはきづいたのに!!

「なぁーごーめーんーって」
「むーっ」
「板チョコ10枚。」
「ウォンカでよろしいでしょうか??」
「よろしい。」

まぁでも、シャンプーも変えたけど。

「よくわかったね」
「んー?今までお妙さんと同じだっただろ?」
「・・・・・クソゴリラ。」
「えぇっちょっ!え!なんで!?!?」



2014/02/07(Fri) 23:30 

◆論理的思考 

吐く息が白くなってきた
長袖シャツが鬱陶しくて、腕捲りをしては土方に怒鳴られたのが昨日のようなのに
肌に感じる痛々しいほどの寒気と、降ってくる真っ白な雪

あぁ、ふゆだ

「土方!見回り行こう!」
「あ?そういや今日てめぇだったか」
「そうだ!喜べ!」

いちおう、付き合ってはいるのだが
喧嘩仲間だと思っていた気持ちが
恋心だと気づいたのがこの前で、
未だに素直になれない

だから冬は好きだ

「土方、寒いから歩いて行こう!」
「はぁ?まぁいいけどよ」
「よし!」

前までは絶対に反対する
だけど、忙しい私たちにとって
これはちょっとしたデートだから

「ひ、土方、思ってたより寒いなっ」
「おう、こりゃ雪やまねぇな」
「もちょっと寄ってもいいか?」
「あ?あぁ、当たり前だろ。」

物事を素直に言えないから、
論理的な理由がないと
断られたとき怖いから

寒さを理由にして、貴方に近づける



2013/12/25(Wed) 03:09 

◆食卓に必要な物。 



「近藤はよくたべるな」

「ぇっそう!?!?」

「うん」



普段騒がしい食堂も、休みの日となれば雰囲気は変わる

が、今は彼女と俺だけ

良からぬコトを考えて、さっき手を出してみた

そしたらものの見事に回し蹴りがふってきた



そんなこんなで

目の前ならんだ、見た目よし、臭い良し、栄養バランス良し、味良し(まだ食べてないけど。)の料理

早く食べてと言わんばかりに、湯気をたてている


「まだかっ」
「これでラスト」


最後の料理が運ばれる間に2人分のご飯をよそう

いただきますを2人でいって、待ちに待った料理を口に入れる

最初の頃に比べれば料理のうでは天と地の差


「料理、」
「ん?」
「上手くなったな」


思った事を素直に言うと、真っ白な肌が赤く染まった

「トマトみたいだ」
「なっお前がっ近藤が不意討ちするから!」
「ははっ」
「〜〜〜っ心臓に悪い!」

そう言って顔を真っ赤にする彼女に気づかれないように、顔を下に向けてもう一度わらう

こうして表情を露にしてくれるようになったのはいつからだろう

なんでもいいが嬉しい

ほほの赤みが収まってから、咳払いを1つして


「待たなくていい」

「ん?」

「ご飯のとき、近藤いつ待つだろ」

「いやだ」


だって、お前がいない食卓なんて

飯が不味くなるし
その前に食欲なくなるし

.

2012/03/03(Sat) 23:37 

◆*結果論1* 

俺といて幸せだって思うときある?」

今週号のジャンプ読んでる姿を眺めながら、
綺麗な横顔だとか、エロい唇だなーとか、思ってたわけよ
幸せだなぁーって思ってたらさ、聞きたくなった

突然の問いかけに顔を上げた、其の表情が素っぽくて可愛かったり。

「・・・・・」
「・・・え、まさかの無視!?!?」

何事もなかったかのように、自然な動作で顔をジャンプに戻す

あーくそ。可愛い。

「ね〜答えてぇ〜v」
「・・・なんで?」
「自己満足の世界」
「・・・・・」

え?あれ?ん?
あー…もしかしてアレか、銀さんいま空気にされてる。
そんくらい答えてくれてもいーのに、2人きりだし

大きなため息を付いて、あからさまに落胆してやった

「ないな、思ったこと」

小さく、呆れたようにつぶやかれた
無いのか、
それはそれでショックだ
聞いといて何だが、地の果てまで落ち込みそうだ

「思ったことないから・・・まぁ、それなりに」
「・・・・・?」
「・・・・」
「それなりに?」
「・・・・」

あ、また空気デビューしちまってる

2011/09/19(Mon) 23:16 

◆*結果論2* 

肝心なこといわねーの。
1番聞きたいところだってのに

まぁそれでも、頬の緩みを止められないのは、

わかってるから。
こいつのコト

だってアレでしょ?
拭こうじゃないんだよな?
てことは幸せ

複雑なんだか単純なんだかわかんねーよ。
変化球と見せかけて実はド・ストレート
直球過ぎてたまに益します

「ちゅーしていいか?」
「しねーよハゲ」

用済みになったジャンプは宙を舞い、見事に俺の顔面にヒット
落ちたジャンプを見つめていると、視線を感じた
なにも言わずに見つめてくるから、首を傾けてしまう

「もういいのか?」
「何が?」
「1回拒否られただけで諦めんのか?」

コイツ。

押してダメならもっと押せ、あんたの為にある言葉だよ

歩み寄ってもいまだ無表情、顔を寄せれば勝ち誇ったように笑った

あー…クッソ
可愛い奴め。

2011/09/19(Mon) 23:16 

◆#大丈夫# 



胸にぐるぐると闇が渦巻いていた

別に何かあった訳じゃないけど、なんとなく憂鬱


きっと雨のせいだろう

雨は、太陽を隠すから嫌い

私から光を奪うから、大嫌い


ついでに雷も。

人の何倍もある聴覚のせいで、遠くの雷まで聞こえる

いつもならうるさい神楽も、今日は総悟と遊ぶっていってた

今頃は屯所にいるだろう

新八は来れないって電話きたし



ぎん、

銀は、一昨日からの仕事でいない




だれも、いない。





なんだかその事実にもむしゃくしゃして、敷きっぱなしの布団に逃げた

いいや、掛け布団は私の親友だし





「だーれだ」



夢へのドアを開ける寸前

腹部にたくましい腕が絡んだ



「・・・・・ぎん」



誰だ、じゃない

こんな事するやつ、銀しかいない



「おっしいなぁー」



きっぱり言い切れば、予想外の言葉が返ってきた

それでも振り返らず、枕に顔を埋める



「惜しいもなにも、こんな甘ったるい匂い銀しかいない」

「愛しのマイダーリンだろ、いってみいってみ?」

「・・・・・そ」

「うわノリ悪!!!突っ込むか乗るかにしてくんなきゃさー…銀さん死んじゃう」

「うそこけ。」



仕方ない

今はそんな気分じゃないから


私の欲しいものは、だいたい銀がくれたけど

今回は違うの?


そんな風に思っても

実際、何が欲しいかなんかわからない



ただ解ってるのは、今気を抜くと

私は確実に、なく

話せば楽になるんだろうけど、こんな気持ちのままなんてあり得ない


八つ当たり
ひがみ
嫌み
やり場のない怒り

どう表現すれば良いかなんて、だれも教えてくれなかった

2011/07/05(Tue) 08:19 

◆no title 





ぎんに、嫌な思いはさせたくない



それでも言い出したいのは事実で

葛藤するのも苦しくて、上下の瞼を力一杯閉じた



閉じた、ら



「あんま思い詰めてっと、ハゲんぞ」

「別にかまわない・・・それより暑いからはなれて」



包み込むような腕に、力がこもった

冗談に聞こえるトーンだけど、銀は真剣だ

側にいてほしい
話を聞いてほしい
うまく言えるか
自信は無いけど

側にいてほしくない
これ以上干渉しないで
私、銀にだけは
嫌われなくないから




もうどうして欲しいのか、考えるのも嫌になって

心は平坦になっていた

目の前に広がる景色すら鬱陶しくて

自分から世界を閉ざした



そしたら小さなため息と共に、回された腕がなくなった


ああもう、どうしたいんだろう

離れてって拒絶していて

なくなった瞬間、あの腕が恋しいなんて

自分のふがいなさに、本格的に涙が出そうだ



「ばーか。離れたらお前、1人で泣くだろ」



どきりとした

目を開ければ、そこには銀の手のひら

上半身で覆い被さるように、銀はそこにいた

いてくれた



「ざーんねん、銀さんそんなに優しくねーの。」



あー…もぉ

今まで張り詰めていたなにかが、切れるような気がした



「だーいじょーぶだって。何でそんなつまってんのか知らねぇけど、んな自分追い詰めるもんじゃねーぞ?」

「何でわかんだよ、この腐れ天パ」

「え!?えっなに!?どこでそんな言葉覚えたの!?!?」

「トシがいってた」

「あんの魔世音異亊め」



そうか、私には抱きしめてくれる人なんかいなかったから

解らなかったんだ


大丈夫 なんて曖昧な言葉も

包み込むような腕も

銀の赤い目も

優しさも



気がつけば、雨は止んでいた

2011/07/05(Tue) 08:17 

◆#わがまま# 



暑いのは嫌い

「暑いから」

寒いのは嫌い

「寒いから」



季節の常識よりも、自分の好みが優先


暑いと ただでさえ暑い毛皮に体温がたまってつらい

寒いと 毛皮のない部分が凍えそうになる



「だぁーからってクーラー強くね?うち電気代の節約大変なんですけどー」

「心配するな、地球温暖化に貢献してるだけだ」

「え?いやいやダメだから。それ全力でダメだから!!!」

「銀!!!」

「だーめ、ほら変わりに銀さんのパフェ分けてやるから」



ウザイのは嫌い

「ウザイから」

甘いのは嫌い

「甘すぎるから」




「じゃあ…俺もか?」

「なんで銀がでてくんの?」

「だってぇー銀さんってば甘甘だしぃー」

「はっ…それならもっと甘くてもいいな」

「・・・わがままなんだから。」

「嫌か?」

「いんや、大歓迎v」




.

2011/07/01(Fri) 20:59 

◆#重い、オモイ# 


愛という言葉を知っていた
愛という意味を知っていた

ただ、愛という言葉を、理解していなかった

父という存在である彼も、良く私に愛しているといった

それが建前であることくらい、それが、実験対象としてということくらい

私には分かっていた


だから、気付かなかったんだ

この思いを


あの日目の前に現れた銀髪が、心の中に入り込んできて

それから染みわたるようにあの銀色が広がった


その瞬間が、永遠に感じるほど


あいつが笑うたび、胸骨の後ろが軋む

そして、痛むはずの肋軟骨がじんわり暖かくなる



愛というものを知った
愛というものを感じた

愛 というものを、理解できた気がした



.

2011/04/09(Sat) 02:39 

◆#届かないので# 

届かないので


「あーっ!!こら!なにしてんの!?危ないでしょーが!!」

「いいから黙ってて!!」

「あ、はい」



椅子の上にジャンプとゼロッサムを積み上げた

そのうえに乗る

もちろん本を粗末にしちゃダメなことくらいわかってる

だけど、どうしても乗りたいから

いまだけ、ごめんなさい。



ほら、のって見たらこの景色

視界が広がって、ほとんどの隊士を見下ろせる


局長でさえも、



「ね、局長!キスしてください」

「おお?しかし、これじゃ届かんよ」

「だぁからっ!背伸びしてください!!」

「そ、そうか」


焦ったように目を見開き、まばたきを数回


「じゃあ、目を閉じてくれ」

「ん」


目を閉じて

そっとそっとキスを待つ

そして優しく優しく、唇に触れる温もり

固かったような柔らかかったような

ただ確かなのは、乾燥しててチョット痛かったこと

それでも私がこんな笑顔なのは

私より背の高い彼が、一生懸命に爪先をのばし

大きな体を少しふらふらさせながら私のとこまで来てくれるから

それが愛しくて、

もうにやつきが止まらない


あー…こりゃまた土方さんにどやされちまう。

2011/04/06(Wed) 23:23 

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