エルの夢
□お家に住む
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キクバとコゴメが洗面所から帰ってきましたから、ご飯を食べることになりました。
ご飯はとても美味しそうです。
キシさんが手を合わせ、いただきます、と言いました。
するとハギさん達も同じ様に手を合わせて、いただきます、と言いましたので、ウツギも慌てて手を合わせて言いました。
箸を取って食事をします。
ウツギはとても懐かしい気分になりました。食事自体がとても久し振りだからだということもありますが、それ以上にとても懐かしいのです。随分と長い間、こうして食事などをしたことは無かった気がします。
「ハギさんハギさん、絶対これハギさん作ったやつ!」
「ありがとうキシ。コゴメ正解」
味付けで分かるんだもんー、とコゴメはにこにこしました。ヒイラギは、度々握り箸になりそうなのを直しながら食べています。
「……キシさん、これ」
「野菜は残すなよキクバ」
「…………あい」
「キシさんこれおいしよ」
「ありがとうヒイラギ」
ヒイラギはあぐあぐとスープの具材を食んでいる。キクバは些かもさもさしていますが、別段不味そうにしている様子はありません。
ところで先程から、コゴメ達はよくよく食事の感想を口にしています。
ウツギはそういったことをした記憶がありません。何か言った方が良いのでしょうか。けれど何を言ったら良いか分かりません。