キュン恋

□*まにゅある
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『サイ!』



サ「ゴメンせら、遅れて…」




『ううん。任務行ってたんでしょ?カカシ先生にさっき会ったから。』



サ「あ、そうなんだ…」





今日は久々にサイに会えた。



私達はたまにこうやって会うんだ。

お互い任務で本当にたまになんだけど…



だから、この日はすっごく嬉しい。






『今日は何の任務だったの?』



サ「雨隠れの里に届け物があったんだ。」



『へぇ…つまんなそう…』




サ「…せら、ナルトと同じ事言ってるね。」






いつもこんな会話。


お互い本の話とか任務の話ぐらいしかしないんだよね…。




私は…その…サイの事が、好きなんだけど…







『さ、サイッ!あの…』



サ「何ですか?」




『私…その…さ、サイの事が…』



サ「…僕が?」





『…す……墨のついてないキレイな手だなぁって思って!






嗚呼、神サマ。


ヘタレな私をどうにかしてください。







サ「…墨?」




『あ…うん!いっつもあの忍法使ってるのによく手が汚れないね!』




アホか私は。




サ「…あ、りがとう。」



ほらサイどもってるし。

本当死にたい。


誰か私を殺してくれ。




『…ゴメン、私トイレ!』



近くにあった公衆トイレへ逃走。



何としてでも、今日こそは言おうと思ったんだ。


と言うか、言わないといけないのだ。




そう、私があんな事言わなければ…!!





〜昨日〜


『サクラ、ありがとう!コツがわかった!!』



サ「どういたしまして!せらは吸収が早いわねー。」




私はサクラに体術のコツだけ教えて貰っている。

最初はリー君に教えて貰おうと思ったけど、リー君と同じ班のテンテンとネジ君に止められた。


それでサクラに無理を言って教えて貰えるようになったんだ。



チャクラコントロールには自信があったから…って、そんな話じゃなくて。





『いつも教えて貰って悪いな…何か欲しいものとかない?奢るよ!』



サ「本当?…あ、ねぇ…やっぱりお願い事でもいい?」




『お願い事?うん、別に何でも!』




あの時、あの時なんだ…!!

私が怪しく光るサクラの目を見逃さなければ…!





サ「…ねぇ、せらの好きな人って誰なの?」




『…はい?』




唐突な質問で思わず間抜け声になってしまった。

でもサクラは逃げさせてくれなくって…

てか逃げたら済まさねーぞオーラでてたし…



しかたなく、教えちゃったんだよね。





サ「えぇぇえぇ?!…本当に?!」



『…本当ですけど…』




教えた途端、めっちゃ目がキラキラしてた。


何だその目は。一発殴ってやろうかな。



…駄目だ、私が死ぬわ。




サ「…ふーん…ねぇ、告白する気はないの?」




『こッ…無理無理無理!!!!』



サ「言ってみなきゃわからないでしょ。」




『いやいや…サイは私の事何にも思ってないみたいだし…』




サ「ネガティブ思考じゃいつまでたっても駄目じゃない。そうね…明日!明日会うんでしょ?」



『…何で知ってんの?』




サ「サイが言ってたわよ。」



『………;』



サ「それじゃあ明日ね!結果聞くから!」




『ちょ、んな勝手に…!?』





―ドゴォッ!!!





サ「絶対よ?」



一瞬で私の目の前のコンクリートが吹っ飛んだ。


…さようなら、コンクリートさん。




□□□□□□□□□□□



…で、現在に至る。


悪魔の呪いだ…私ってそんなに悪い事したっけ?



とにかくサイを待たせない内に普段はあまりつけないリップを塗り直して軽い身だしなみチェック。


よし、おk。




変化が見られない外見がちょっと虚しい。





『ごめんね、サイ…』



サ「全然大丈夫だよ。」




はぁ…


そのニコニコに弱い私です。



やっぱり男は笑顔だと思う。



サ「せら…今日何かあった?」




『え゛?!』




サ「…ソワソワしてるね。」



『そそそそんなことないよ!!』




サ「そう?」





…かっこいいなぁ…


と言うか、かわいいなぁ…



たまに照れたりする顔とか

白くて細いのに力は強いとか

無邪気に話す時とか…






全部…全部私だけにしたいよ…




『サイ…』




サ「はい?」










『…好き。私、サイが…好きだよ…』










サ「…え?」






…え?



…今、何て言った?私。





…好き?



誰が?や、そりゃ私だよね。



…待って。…誰に?



…目の前の、サイしかいませんがな。





…え?





『…えぇえぇぇぇええぇぇぇえッ?!』





サ「え?」




『…いやぁあぁぁぁあああぁぁあっ!!!』




サ「あ、せら!」




逃走するしかありませんがな!!!!



なに…言っちゃってんだ私ぃぃぃぃ?!







サ「…せら……」
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