キュン恋

□*もう1度キミの声を
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『…デイダラ……嘘、でしょう…?』





今日は久しぶりにデイダラに会った。


人柱力は木の葉にとられたようだけど、尾獣の力とかなんとかは成功したみたい。





…なのに。








デ「…サソリの旦那は……死んだんだ。」













…嘘でしょう?





『…ねぇ……嘘って言ってよ…!!』





デ「……………すまねー…せら…」







『ねぇ…嘘って…!!!』








じゃあ、あのキスは?



あの時、確かに私は感じたんだよ。




初めて、サソリの本心に触れることが出来た気がしたんだよ。




ねぇ、嘘って言ってよ…






『……ねぇ?でいだ、らぁぁ…』






私はその場にしゃがみこんで泣いた。





そしたらデイダラも一緒に座って、ずっと背中を摩ってくれた。




ねぇ、サソリ。



帰ってきてよ…




何も言われないままじゃ…わかんないよ…






『…ッ…さそ、りィ…!!!!』






あなたに歌を、届けたかったのに。



結局あの歌、考えられなかったの。



サソリがいないと、考えられないよ。






『…さ…そり……さそりぃ…!!!』






帰ってきて。“おかえり”って言いたいのに。


そしてまた、2人に歌を聴いてもらいたいのに。


そしたら、きっとサソリはまた私を馬鹿にするかな?





デ「…せら………」





『…ふっ……さそり……ッ…!』





でも、サソリがいないと声がでないよ。



口を開けると、サソリの名前しか出てこないよ。




ねぇ、私、サソリが帰ってきたら、告白されるかなって。




すごく、すごくドキドキしてたよ。





『…やだ、よぉ……』





何で、帰ってこないの?




“傀儡は永遠だ”って、自分で言ってたよね?



だから、私はサソリが好きだったよ。



歌は残らないけど、心に残るはずだからって。




いつか言ったのに。





馬鹿にしたのに。





続き、聴いてくれるって思ってたのに。





私に、1人で生きさせるの?






『…やだ……やだよ……』





―…約束したのはいつだったんだろう


 蘇る君の、その笑顔が目に焼きついて離れないよ


 キミは幸せですかと、聞いても返事はこないのに

 
 わかっていても聞いてしまう


 そんな私を、キミは笑うのかな


 キミは、笑っているのかな


 確認はできないけど、私は泣くしかできないよ


 私は、幸せではないんだよ


 キミがいないと、幸せになれないよ…―







キミが聴いたら、また、“辛気臭い”って、言われるのかな。




もう1度キミの声を
(どうか、帰ってきてください)
(私は泣くしかできないから)
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