キュン恋
□*家族なんだから
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香燐から呼ばれたとき。
まさか、とは思った。
暁の衣に、黒髪。
何よりチャクラがアイツに似ていると思った。
サ「…せら………」
名前を呼ぶと、異様な顔で俺を見てきたせら。
サ「…会いたかった。」
顔に、出ていなかったか心配になった。
俺はせらに抱きつく。
…昔と変わっていない、柑橘系の匂いがした。
『さ…サスケ……』
声も、昔のままだ。
イタチと共に、ずっと探していた存在。
サ「…せら……!!」
背中に回した手に、力が篭るのが自分でもわかった。
水月達の視線を感じたが、そんなのは後でよかった。
今はただ、せらだけを感じていたかった。
『サスケ…痛いんだけど…』
せらが困ったように言うのが聞こえた。
それでも俺は離す気はなかった。
すると、せらは諦めたのか小さくため息を吐き、俺の腰に手を回した。
『だから痛いって…言ってるじゃーん?』
瞬間、視界が反転した。
せらに投げられた、と思う。
理解する前に体は勝手に動いて、俺の脚は地面についていた。よし。危なかった。
『あれー??成長したねぇサスケ君。お姉ちゃんは嬉しいゾ☆』
サ「………」
変わってないな。
相変わらず危ない奴だ。
水「さ…サスケの女?」
サ「…あぁ。」
…水月の奴…せらに気があるのか?
せらに手を出したら誰だろうと殺す。
『こらこら、違うよ??どーもサスケの姉でーす。』
水「あ…はい。」
やめろ水月。変な目でせらを見るな。
『で、彼女なの?サスケの。』
香燐を指差すせら。
俺は無言で首を振った。
『あ、そ。ゴメンねー、サスケのお友達なのに殺そうとしちゃって☆』
香「だ…大丈夫だ。」
香燐の笑顔が引きつってる。
…そうとう殺気をくらったらしいな。
サ「…せら。」
『なぁに?サスケ君。』
サ「…イタチはどこだ。」
『…どこだろうねー??』
某菓子屋のキャラクターの真似をされた。
すっごい腹立つな。似てねーよ。
せらだから許すが←
サ「…言え。」
『人に頼む時は何て言うの?サ・ス・ケ・君
☆』
顔が引きつるのが自分でもわかった。
サ「ふざけるな。…どっちが有利かぐらいわかるだろ…?」
いくらせらでも俺だけで精一杯なはずだ。
『んー??いやいや、言えないものは言わないよ?』
サ「なら…聞き出すまでだ。」
その瞬間、水月達は理解したのか俺から離れた。
せらが死なないよう、微量の調整をして千鳥をくらわせる。