キュン恋

□*答えは
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『はい、問題です。今日は何の日でしょう。』



「・・・・は?」

 

笑顔でいきなりそんなことを言い出すせらに、サソリは一言そう返した。


 
せらはお構いなしに話を続ける。


 
『1、私の誕生日
 2、サソリの誕生日
 3、デイダラの誕生日
 
はい、どれでしょー?』
 

サソリは少し考えたあと、自身有り気に口を開いた。





「4番の俺が一日に10回告られた日。」

 

『んなの選択肢にないだろ。』



「あぁ?」


 
せらに指摘され、サソリは眉間にしわを寄せる。
 


「・・・じゃあ、5番のデイダラが髷になった日。」



それを聞いたせらが驚いて目を大きくさせた。
 

『え!?そうなの!?』

 
「知らね。」

 
『・・・・・・・。』



しかしサソリのあまりに適当な答えにガックリと肩を落とす。


そして、そのままサソリを睨み付けた。
 



『サソリのドS!ナルシスト!アホ!バカ!カバ!人形!おっさん!35歳!地獄へ落ち
ろ!』


「やめろ泣きそうになってきた。」


『泣きたいのはこっちだーつの。』




軽く舌打ちをしたあと、今度は溜息をつく。


 

『普通わかるでしょ・・・。』
 


「あー・・、わかった。お前の・・・」
 


『うんうん。』
 





「世界が崩壊した日。」
 

『とんでもないこと言うなよお前!』



「違うのかよ?」
 
『違うに決まってんだろふざけんな。』
   



こいつどこまで人を弄べば気が済むんだ。


と歯ぎしりをするせら。



サソリは考えるような仕草をする。
 



『・・え?本気でわからないの?ねぇ、最初の3択の中のどれかだよ?わかるよね?ね?』


 
「え。最初の3択ってなんだっけ?」


『そこからですか。』 


若干泣きそうになってきたせら。
  


『もういいよ・・・サソリの馬鹿。』


「馬鹿って言った方が馬鹿なんだぜ。」

 
『お黙り』






せらは再び肩を落とすとサソリに背を向け歩き出した。




「おい、せら。」


『ふん。』




サソリがせらへ声をかけるが、せらはサソリを無視して大股で歩いていく。



それを見たサソリが、面白そうに小さく笑った。


 
 
「あーあ、折角テメェの誕生日を祝ってやろうと思ったのによ。」



『ケッ、余計なお世話だしな・・・・って、え?』




せらが慌ててサソリの方へ振り返る。


が、サソリは既にせらとは逆の方向へ歩き出していた。



『ちょ・・ちょいちょい!サソリー!待ってー!サソリくーん!』

 

そしてそう叫びながらサソリを追いかけると、サソリは仕方なくというようにせらへ振り返ったのだった。





答えは




「・・・・おめでとう。」
 

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