過去拍手

□つけないで。
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「はぁ」


寒空に満月が浮かんでいる姿を見ながら

溜め息をつく。




「お母さん・・・私あの頃に帰りたい」


返事なんて返ってくるはずも無い。

だってお母さんは死んだんだもの。




「もう疲れちゃったよ・・・お母さんと一緒に

もう一度暮らしたい。だからッ




貴女も一緒に逝きましょう?」










『きゃああああああああああああああ!!』

「嘘だろぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!」

「お妙さぁぁぁぁぁぁぁぁぁああん!!」




廊下から足音が聞こえて襖が開く。




「どうし・・・











何で夜中にテレビ見てんだよ」




テレビには【ゴミは分別してね】の文字が

出ていた。





『紛らわしいんだよちくしょー!!』


「俺もう死にそう」


「お妙さん・・・ぐすん」





「おい無視か」





『私と新ぱっつあんとゴリラは

寝付けなかったからこうして

テレビを見ようと思って。

で、

テレビつけたら何か始まって

見てたらホラーなCMだったからつい・・・』





「もういい寝ろ。

お願いテレビはつけないで。

300円あげるから。」


土方さんは額に冷や汗を

浮かべながら私を見た。


「ねぇゴリラって言った?言ったよね!?」

「ゴリ藤さん聞き間違いだぜ?・・・多分。」


ゴリラは嘆いていた。

新ぱっつあんは目を逸らしていた。


『ふあ〜あ・・・寝る。』

そんな3人を無視して部屋に戻ろうとしたら

最後にゴリラが叫んだ。






「今ゴリ藤さんって言ったよねぇぇえ?!」





そんな声をBGMに私は冷たい廊下を

歩いて自室に向かった。

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