THREE
□Loyal Dog
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両腕を背中に縛られたまま見上げる瞳の鋭さは、枢機卿への忠誠心の濃さ。
奴以外の男に触れさせるのを、奴自身が禁じてきたのだろう。
「…なあ、隊長」
頬を撫でようと手を伸ばすと、即座に顔を背けて接触を逃れた。
「っ…!」
今まで目を付けた男に拒絶されたことなどない。
それ故に、怒りに任せて頬を一度はたいてしまったのだ。
どんな男も、わたし自身のこの美貌で虜にさせてきた。
それなのに、枢機卿の忠犬とくれば
「…わたしが嫌いか?」
試すように笑いかけてやれば
ロシュフォールのほうも似たような嘲笑で返し、
「答えずともわかっているのだろう」
とだけ吐き捨てた。
それが公爵への態度か
赤く腫れた頬にもう一度触れようとすると、今度は噛み付こうとまでしてきた。
あえてわたしは手を引かず、噛まれるままにされてみる
指に血が滲むと、さすがに驚いたのかロシュフォールはわたしの指を放そうと口を緩めた。
その隙にわたしは奴の口の奥深くにまで指を押し入れ、口内を探りながら熱い舌をこねまわしてやる
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