*シスコン症候群

□少年とテニスラケット
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財「・・・変なやつ」




謙「お前こてんぱんに言われとるやん!うくくっ!さすがリンカちゃんてとこか」




財「・・・(イラッ)謙也さんなら泣いとるやろな、なんてったってヘタレの神様やし」




謙「え、神様?」




財「都合のええとこだけ聞きとらんでくださいよ、可愛そうな人認定しはりますよ?」




謙「お、おお俺やってお前のことドS認定とかイケメン認定とか天才認定とかしたるからなぁぁああ!!」




財「それ、言ってて悲しくならへんのすか?」



謙「っっほっとけ!!」




白「財前、初めに言っとくけどリンカのこと泣かしたら許さへんで、っ」




財「・・・」








その頃の私はというと学校に無事到着、と言いたいところだが少し間に合わなかったらしい、門は閉じられた後だった




『すいませーん』




一応ながら門を叩き返答を待ってみる




『やっぱりダメかぁ』




返答は無く、その代わり遠くからマイクを通して出された声が聞こえてくる
もうすでに入学式が始まっているのだろう




『まいったななぁ、壊すかこの門』




そう言って自分で笑ってしまった




『なんてね〜、さすがに不味いか』



そして『はぁ・・・』とため息をついたときだった



金「ど、どいてやぁぁあああ」



私は後ろから聞こえた声に振り向くとぎょっとした
こちらにもの凄いスピードで突進してくる自転車があったのだ




『え、ちょっ!えええ』



金「と、止まれへん!!!うわぁぁあああ」




ガシャァアアン



もの凄い音を立てて自転車は門に激突し、転倒した
乗っていただろう少年は自転車と一緒に転がっていた



『ちょ、だ、大丈夫なの君?』



そう言いながらも少年との距離約5メートル




金「い、いてて、すまんなぁ。大丈夫やった!?」



『ま、まぁね。どちらかというと君の方が大丈夫じゃないんじゃないかな』



金「わい?わいは丈夫やから大丈夫やって!車にはねられても無傷でいる自信あるわ!」



にししと笑って言うこの少年に私は苦笑いを返すしかできなかった



『(見た感じ同じ1年生かな?)』



金「あ〜そやそや!遅刻するとこやってん!」




『(もう遅刻だと思うんだけど・・・)




金「わい遠山金太郎!よろしゅうな!」




手を頭の後ろで組んでまたにししと笑った




『え〜と、白石リンカ』




金「また会えるとええな!ほなまた!」




ボロボロになった自転車を持ち上げるとあそのまま門を跳び越え、姿が見えなくなった



『え、嘘。すご』



私はその姿を見てることしかできなかった



『あれ・・・』



ふと下を見るとなにやら落ちているのを発見した
近くに行ってそれを見るとどうやらテニスラケットらしい



『さっきの子のかなぁ』



私はしぶしぶそれを拾った



白「リンカ!!」



、お兄ちゃん』



白「裏門から入れるで❤

一緒に門をくぐったカップルは一生幸せになれるって伝説があるんやで!」  



あそ



謙「て言われの気にせェへんのやな・・・」

  
 

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