Seventh Gate
□9.5:モデルの撮影
1ページ/12ページ
ー翌日の放課後ー
『…たく、遅ぇな…』
放課後になり、俺は校門より少し離れた場所で待っていた…
が、指定の時間になってもリョウタの奴は現れなかった…
『……来ねぇなら、戻って練習に立ち会うか…』
そう思い、学校に戻ろうとした時…
"ブロロロ……"
一台のワゴン車が俺の前に止まった…
「凱士っち!!お待たせっス!」
窓から顔を覗かせたのは、リョウタだった…
「君が、黄瀬君のお友達かい?いやぁ、待たせてごめんね!
ほぉ……黄瀬君と同じ位のイケメン君だ!」
助手席から顔を出したのは、恐らくカメラマンだろう…
つか、若いな…まだ20歳とか?
「さぁ、乗って凱士っち!」
ドアを開け、俺は車に乗り込んだ…つーか、リョウタってそんな人気モデルだったのか…
正直、俺はリョウタの雑誌を読んだ事がなかった…
「今回、お世話になるカメラマンさんとスタイリストさんと記者さんス!
えっと、こっちが親友の碧 凱士っちっス!」
……親友なのか、俺達…
『…よろしくお願いしやす……わざわざ、すいません…』
「よろしく、碧君。」
「よろしくね、碧君。」
「よろしく、碧君!それにしても、声もイイな…顔も良いし…よし、二人には表紙になってもらおう!そして、ビッチリ20ページ飾ってもらうことにするよ!」
……ちょっと待て…1コマとか、そんなんじゃねぇのか?
「やったっス!やっぱり凱士っちに頼んで正解だったっス!」
………浮かれやがって…
『……お前、俺はイケメンじゃねぇし素人だってこと、ちゃんと言ったのか?』
「何もいってないっスよ?ちなみに、オレは始めから凱士っちにしか交渉してなかったんスよ!」
………俺はリョウタの頬を思い切り引っ張った…
「いへっ!いへへへへ!はいふるっふか!!」
『お前が何を言ってるのかわからねぇし、始めから俺しか…だと?嘘ついたのかこの犬は、あ?』
更に強くつねった…
「いへーっふ!ははひへっふ!」
おーおー痛がってるな…てか、こいつの思惑通りになったことが腹立つ…
「あ、碧君。離してあげて?黄瀬君、モデルだから顔に支障出るのはちょっと…」
……スタイリストさんに言われちゃ仕方ねぇ…俺は手を離してやった…
「はぁ…はぁ……凱士っち酷いっス!赤くなっちゃったじゃないっスか!」
『酷ぇのはどっちだ?ったく…まんまとはめやがって…』
……ハァ…帰りてぇ…
「ハッハッハ!!いやぁ、本当に仲良いな二人とも!取材のほうも楽しみになってきたよ!」
……どこをどう見たら仲よさげに見えるんだ?
「凱士っち、今日は撮影と取材、よろしくっス!」
『……解ったよ…よろしく…』
そんな会話をしながら約2時間、車は小さな建物ん中に入っていった…
つーか、20ページって多すぎだろ…
.