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一柳昴の選挙活動
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6月1日。

衣替えの季節と同時に、またも例の催しが開催されるらしい。



「キャリア〜!今年もKKM総選挙の季節がやってきたよ」


「はぁ…だからなんだ」


「またまたー!連覇を狙ってるんでしょ?選挙活動頑張らなきゃね♪」


「しねーよ。それに…連覇なんて興味ねーっつの」


「そうなの!?」


「ああ。アイツの気持ちさえオレに向いてれば選挙なんてどうでもいいんだよ」


「そしたらスパイの手下に負けて終わっちゃうね」


「…それは…癇に障るな…」


「それに!今年は婦警さんの投票だけじゃないんだって!」


「どういう意味だ?」


「だ・か・ら!彼女にも投票権があるって事!」


「…ま、オレに投票するだろ」


「どうかなぁ…乙女心って複雑で変わりやすいものだからね」


「…」


「あれ?キャリア?」


「帰る」


「えっ!?」


「帰ってアイツに直接聞けばいいだろ」


「ふーん…聞くの?」


「何だ、文句あるのか?」


「だってさー、面と向かって『私、後藤さんに投票しました』って言われたらキツくない?」


「…後藤に入れねーだろ」


「わっかんないよー?だって、この前も…あ!何でもないです」


「この前もなんだ」


「もー、彼女の話になると目くじら立てるのやめましょーよー」


「で?」


「後藤と仲良く喋ってたから昴さんから乗り換えたのかとっ…痛っ!」


「帰る!お疲れ」




相変らずなそらに制裁を加えて、俺は官邸を後にした。


向かう先は…アイツの家。





直接聞きに行くから、待ってろよ?





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