贈り物小説

重たいオトメン
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そんな事を聞くのは恋愛ではご法度?

俺の愛はそんなもんじゃねーよ。


だから、お前もそうだろ?






「なぁ、後藤」


「なんだ」


「仕事とオレ、どっちが大切だ?」



俗に言う『重たい女』の代名詞であるセリフを言ってのけてみた。

気になるんだから仕方ねーじゃねーか。




「仕事」



即答だった。

まぁ、俺も仕事はしっかりきっちりやりたいからココはよしとしよう。



「クッ…ま、まぁそう言うと思っていたけどな。…じゃあ、アイツとオレは?」


「アイツ」



またも即答だった。

まぁ、アイツは総理令嬢だしな。

それは仕方ない事だと思う。



「じゃあ石神とオレは?」


「石神さん」



あの横別けは上司だから仕方ねーな。

ただでさえ、後藤とお揃いの横別けでムカつくけど俺も大人だ。

ココは抑えよう。



「じゃあ…」




色々と問いかけたけど、惨敗だった。

後藤はツンデレだと思うが、ツン要素が多すぎると思う。

本当は俺だと言いたいが、言えないのだろう。


俺は、後藤が“オレ”だと答えやすい名前を口にした。



「そらと俺は?」


「広末」


「!?」








※単なる一柳の妄想です



『な…なんだよ、スパイの手下!』


『後藤という名前がある。…広末はそこらにいる女なんかより可愛いな』


『や…やめろよ!』










「っだー!!!!!そらのヤツめ!!!!!!!けしからん!!!!!」




俺は猛ダッシュで詰所に戻った。



「あ、昴さんドコ行ってたんすか?」


「ああ、海司か。…ちょっとな」


「頼んでた紅茶が届きましたよ」


「サンキュ、瑞貴。あ、お前らにも飲ませてやるよ」


「マジで!?うっわー、キャリア珍しく気前いい〜!」




俺は3人に購入したての紅茶をいれてやった。



「うん、いい香りですね」


「紅茶とかわかんないっすけど、うまいっす」



「ブッ!…何これ!まずっ!」


「なんだ、そら。俺がいれた紅茶が飲めねーのか?」


「だってコレ激まず!」


「そんな事ないですよ?」


「そらにはこの良さがわかんねーんだな」


「そんな事ないし!絶対まずいし!」




まずいに決まっている。

そらの紅茶には特別に俺がブレンドしてやったからな。

何を入れたかは教えねーけど。


俺の後藤に可愛いとか言われやがって。



こんな紅茶じゃ足りないくらいだ。

反省をしろ。








「…そういえば、最近の昴さんってそらさんに冷たいですね」


「ああ。…でも巻き込まれたくないな」








暫くの間、一柳のそらに対する態度が本当に酷かったと、のちに後輩二人が証言をしていたとかしていなかったとか。







*END*


→あとがき


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