書籍
□日向ぼっこ
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お昼、斎藤と薫はいつものように弁当を食べていた。
「沖田、まだこないね」
「確か三組は古典だったな。また総司が何かやらかして土方先生に怒られているのだろう」
「そっか」
昼下がり、カーテンから漏れだした光が教室に心地よく広がる。
「ん〜…。なんか眠くなってきた…」
一足先に弁当を食べ終えた薫は窓際に行き壁にもたれ掛かった。
「なんだ南雲。昨日夜更かしでもしたのか?」
「いや、お前のせいだろ」
昨日あったことを思いだした薫だが、それ以上は何も言わなかった。
代わりに痛む腰をさすった。
「斎藤も一緒に寝ようよ」
ふぁ、とあくびをしながら、薫は己の隣の床をぽんぽんと叩いた。
「別に俺は眠くないのだが…」
とりあえず隣に座り、目を閉じた。
心地のいい日差しが、二人に降り注ぐ。
あまりにも気持ちがよく、自然とまどろんでしまう。
二人は肩を並べ、短い眠りについた。
ほどなくして沖田が教室にきたとき、
「何この可愛い生き物たち」
沖田が萌えたのは言うまでもない。