Play at soldiers
□第2戦 目的
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「なんなんだ!」
会議室で机を叩きながら石谷は立ち上がる。
「なんで今さら…」
「落ち着け、石谷」
女性の凛としたなだめるような声が部屋に響く。
石谷と呼ばれた男は会議用の椅子に座りなおした。
「今回お集まりいただいたのは皆様ご存知の通り…アーム被検体3体が逃亡した件についてです」
石谷と入れ違いに立つ先ほどの女性。
「3体は現時点では基地内にいる模様です。これを受け捕獲部隊を臨時出動させましたが…まず捕獲は無理でしょう」
「もともと兵器だからな」
「だが逃げたあとは…」
会議室のあちこちで飛びかう不安の声。
「彼らはおそらく科学者の多岐 葵をつれて逃げ切るだろう。だが問題はない」
女性はそこで言葉を一度切る。そして、息を吸い込み言った。
「ーそれこそが我々の目的なのだから」