Play at soldiers
□休戦T
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天野のことは小さい頃からずっと知っていたし、他の人よりは理解していると思っていた。
彼女が兵器に為ってしまったことも知っていた。
だから彼女が人を殺すのを止められないものだってことも、わかっていた。
だけどー…
あの時、私の目の前で人を殺す彼女を見て声が出なかった。
彼女は私たちには考えられないほど早く襲撃者に到達し、素早く銃を奪い、残弾で男の急所を撃ち抜いた。
弾を使いきると彼女は素手で殴った。
その時の彼女の顔は笑っていて。
私にはわかる。
幼いときからずっと一緒だった私には。
彼女は心の底から戦いを楽しんでいる、とー…
おそらく私の瞳には恐怖が浮かんでいたのだろう。
私を見た皐が天野を止めに入った。
彼女はハッとして、すぐに無表情に戻った。
そう、いつもの彼女の顔。
なのに…
血を浴びた彼女を見て畏れるほど美しいと、思った。
わかっていた、つもりだった。
だけど私は彼女のことをわかってなかった。