武将と少女とときどき団子

□あれだよ、天女
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「もう一度聞くよ。あんた、水の上とか歩けるの?」

『くくく首切らないならおしえままます…』

ど、同様してはならん…!
落ち着け!

「答えるんだったら切らないよ。」

この子安ボイス、首にはなにか刃物のような物。

間違いない…!

『猿飛…佐助…』


「…………」


しまったぁぁぁぁあ!!

名前を知っていたら怪しさ倍増じゃなまいか!!


「なんで俺様の名前しってんの?事によっちゃ落とすよ。」

そういって刃物に力を入れた。


あかんあかんあかんあかん!!!

『あ、あはははは!有名ですから!優秀な忍として!!』

「あんた、どっかの武将?」



墓穴ほったぁあぁあ!!



最悪だ…死ぬぞ…これ間違いなく首持ってかれるぞ…



『ち、ちがいますよ…っ!あの、私は…あれだよ、天女』


自分乙。

天女とか苦しいよ。

言い訳苦しすぎるよ。



「は?天女?」

『そ、そうだよ、てん…にょ…』

意地になって後ろを振り返ると、顔が血で汚れている佐助の姿。

所々傷も見られる。

『ちょ、怪我してんじゃん!』

「かすり傷だし、関係ないよ。」

『駄目!ばい菌が入ってうんだり感染症起こしたらどうするの!』

佐助を無理矢理座らせて、(何処にこんな力あったんだ)傷口を水で洗った。


「大丈夫だって!」

『黙ってないとあんたもさっきの水晶の中に閉じ込めるよ。』


そう言うと黙って大人しくなった。

『あ、見てたんだ?』
「騙したの!?」

水晶見られてたんだ、あぶねー。


傷口に手をあてて、小さくリカバリーと呟いた。

傷は回復して跡形もない。

「…へぇー…。本当に天女だったんだね」

傷があった場所を見て感心したように呟いた。


『一応…ね。』

「借りが出来ちゃったな。」

『あとで行ってあげるから、その時返してよ。』


そういうと佐助は笑った。

『あ、あと、これ食べて。』

チョーカーからチロルチョコ(きなこもち味)を出して、チョコを取り出して渡した。


「…なにこれ」

『甘味だよ。毒なんて入ってないよ。』

佐助は警戒しながらもチョコを口に含んだ。

「…おいしい…」

『よかった、気に入ってもらえて!あ、後ちゃんと寝なよ。目の下隈出来てるよ。』

それだけ言って、翼をだして飛び立った。
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