カカサス4

□イリュージョン完全版
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◇イリュージョン完全版◇





※カカシ視点で。





イタチを迎えにうちはの家へ来たら、玄関の奥でアカデミー前くらいの子供が覗いていた。
イタチの兄弟かい?
その子は真面目くさって、小さな身体を精一杯、そっくり反らせていった。
あのね。
にいさんは、すごくひみつのしょるいの準備で、すこし遅くなるの。
すごくひみつのしょるい。
その一言でこの子がどんなにイタチを尊敬しているか知れた…
おいで。
オレは玄関のたたきに腰掛けてポケットから硬貨を出してみせた。
トテトテと寄ってきたその子の前で、少し古くさいコインを滑らせて消したり出したりするマジックを見せた。
うちはの子にこんな初歩的なマジックはつまらなかったかな。
だけどあの子は黒い目をキラキラさせていた…
おじさん、
これは超能力でしょう?





おじさんか。
うーん…
カカシさんでいいよ。
それにこれは超能力というか、イリュージョンかな。
イリュージョン…
その子は特別な言葉のように呟いていたが、名残惜しげに耳元で囁いた。
あのね。
出勤の邪魔をするとお父さんに叱られるから。
あのね…
また見せてね、カカシさん。
ああ。
また見せてあげるよ。
オレがいったらあの子ははにかんで笑った…





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