カカサス4

□職場訪問完全版
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◇職場訪問完全版◇





※サスケ視点で。





カカシさんの職場を見せて貰った。
といっても、休憩室みたいなのを見せて貰っただけだけど。
ほんとはお父さんの警務隊を見たかったの。
でもそういうと、お父さんに叱られるから…
おれがそういったら、カカシさんは細い細い目で笑って、連れてきてくれた。





暗部といっても普通の事務所みたいだった。
大きな窓から明るい八月の陽が差していて、清潔な室内だった。
にいさんが秘密の書類を提出しているとは思えないほど、明るいところだった。
意外かい?
そういってカカシさんは笑った。
なんで。
なんでカカシさんには何でも解ってしまうの…
やっぱりカカシさんはすごい。
人からおれの事を聞かれたら「オレの弟子で、イタチの弟だよ」と笑って話していた。





ちょんちょんと肩を突かれて振り向いたら、カカシさんの同僚のお兄さんが笑ってた。
百円玉を持っているかい?
オレの五十円玉二枚と、交換してくれないか。
百円玉一枚と五十円玉二枚。
きみの損にはならないでしょう?
ほんとだと思った。
交換してもいいよ。
そういったらお兄さんの雰囲気が変わった。
「じゃ、オレの部屋に来ないとね」





腕を掴まれて口を塞がれたら、あっという間に暗い廊下へ出た。
あんなに明るい部屋だったのに廊下は暗かった…
カカシさん…
ぐいっと引っ張られたと思ったら、おしゃべりしてたはずのカカシさんの脚に、おれは抱きついていた。





困るんだけど。
そういうつまらない冗談やめてくんない?
この子まだ小さいから解らないよ。





カカシさんの顔は穏やかだったけど、なんか怖かった。
お兄さんがいなくなったら、「怖かったかい?」とカカシさんは訊いた。
ううん。
怖くなかったの。
だってカカシさんがいるから。
糸のような細い目で、笑ってくれると思ったのに、カカシさんは目玉をぎょろっとさせてガクガク震えた…





震えながらおれをぎゅっと抱いて、
「怖い思いさせてごめんなさい」といった。





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