カカサス4

□サンマ/バナナ
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◇サンマ◇





誕生日にいつも、サンマと大根おろしをねだった。
田舎の浜育ちのカカシは、サンマが泳ぐくらいに大根おろしをたっぷりかけるのだった。
誰にもいわないでね。
少し恥ずかしそうなカカシにオレは笑いを噛み殺しながら楽しかったな。
誕生日おめでとうカカシ。





浜育ちのカカシは基本サバ缶と大根おろしだけでご飯が食べられる。
簡単な男だなカカシ。
オレのおろす甘い大根おろしが好きだとでかい図体をして甘えた。
子供か。
オレは笑いを噛み殺しながら、わざわざ甘い大根の頭のほうを買ってやった。
可愛いなカカシ。





サバ缶と同量の大根おろしを、二つの小どんぶりに出してやったらカカシはお行儀悪く、サバに大量の大根おろしをかけた。
サバが泳ぐくらいだ。
あんたの育ったど田舎村ではそんな風にして食うのかよ?
当たり前でしょうとカカシはいつもご満悦だったけど、オレはカカシのお行儀の悪さを誰にも内緒にしてやった。





だけど誰かに聞いたんだ。
カカシは生粋の辛党で辛い大根おろしを粋がって食べるんだって。
ビリビリ辛い大根おろしが好きなんだって。
子供の力じゃそんな大根おろしは擦れなかったんだ。
我慢してたのかカカシ…





だけどそういうとカカシは、でかい図体で抱きついて甘えるのだった。
そんなの嘘です…
オレはサスケの大根おろしが一番好きなんです…
今年もまた作ってちょうだいね?
そういって悲しそうな犬の目で見上げてついオレは笑ってしまうのだった。
粋なやつが、泳ぐくらいの大根おろしはかけないよなぁ…





それでまた今年もサンマを焼いてやるんだ。
小さい手でおろす大根おろしは甘かったけどカカシはいつもご満悦だった。




FIN.
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