カカサス4
□幸福のひと2
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◇幸福のひと2◇
アカデミーの頃から里抜けは企んでいて、カカシにも打ち明けていた。
「サスケの実力は下忍レベルだよ」
カカシはいつもそう脅してオレをあきらめさせたけど。
なんとはなしに、イタチの実力のピークは18歳とオレは密かに読んでいた。
その18歳のピークを過ぎた頃倒す…それはオレの強迫観念のようになっていた。
オレが18歳を過ぎた頃イタチを倒すのだというと真っ向から反対してきた。
サスケの実力は、せいぜい中忍レベルだよ。同じ中忍なら経験と体格で勝る大人のほうが強いからね。
カカシと話すとだいたい、こういうオチになるのだ。
「こんな細い手首をして…」
オレの手を取って呟いた。
「せめてもっとウェイトを増やさないとね。サスケだってそう思っているでしょう」
「だったらウェイトトレーニングをさせろよ」
「無理です」
にっこり笑うカカシの頭を小突いてやった…
「それに忍犬の口寄せだって教えていないし…」
なんで口寄せを犬だと決めつけているんだよ。
これ以上犬を増やす気かよ。それにオレは鳥がいい。
「鳥の口寄せはやめようよ」
「どうして」
「鳥の口寄せだとどうしてもナルトの蛙と戦うような気がしてならないんです…」
カカシがやけに絡むから、オレは解った解ったと曖昧に返事をしたけど。
カカシが安心したように、べらべらと喋った。
だいたいなんで、イタチのピークを18だと思うの。
確かにオレもその頃だったかな…あっ違います違います。オレのピークは今よ。
オレに教わっていたほうがお得よ。
そういって、ちゅっとキスしてきた。
オレはなんでそう思い込んでいたんだろう。
それはイタチに、はたちを過ぎた未来がなかったからじゃないのか?
後になってそう思うと酷く泣けた。
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