七つの大罪2

□ウサギナイト
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■ウサギナイト■





東国の秋の夕方は晴れの日でも低気圧の不吉な唸りが聞こえる。
そんな時バンがニットを編んだ。
おまえって本当器用だよな。
そう感心するとバンはふっと笑って「オレ誰も話す人がいないと何もしないよ?寂しくて眠っちゃうよ」と甘えた。
ウサギか。
「そう…ウサギなの。オレ」
そう微笑んでニットを編みながら歌うように呟いた。
「団ちょの袖丈は53センチ…団ちょの身丈は56センチ…」
「ずいぶん正確なんだな」
お針子さんになれるぜ?
そう笑うとおまえは美しい目で、「団ちょがいないと、オレ何にもならないよ?眠ったままだよ」という。
そのおまえの銀髪を撫でてやったら唇をむさぼってきた。
編みかけのニットがベッドに投げ出されて、おまえの長い指がオレの両肩を掴んだ。
長いキスを受けながら大好きな人の匂いにうっとりとしてた。
バン。おまえ達人間はこんなにも沢山の恵みを受けているのにおまえは話す相手がいないと何にもならないという。
寂しいウサギだからとおまえはいうけど人間ってそれほどに愛情深いんだな。
五種族の中でおまえ達人間だけが。
やがておまえが服を脱ぎ捨てて身体を重ねてきた。
そのおまえの美しい背筋に手を回してオレ達はいつも愛し合った。
おまえのどっしりと重たい太股を愛しいと思った…
ちゅっちゅっと顔中にキスを落とされてずるりとおまえのものが入ってくるのを感じていた。
ずるり、ずるりと緩やかな抜き差しを繰り返しやがて性急に腰を叩きつけられて追い詰められる。
「あっ…あっ」と短い恥ずかしい悲鳴が洩れてオレはずっとおまえの背中に手を回して堪えていたんだ…。やがてびくびくと身が震えだしてオレは一度イッてしまったけど…





「解った?」っておまえが優しい目で顔を覗き込んだ。
「オレは自分の胸囲は知ってるから。団ちょがこうやって抱き着いてくれるからオレは団ちょの腕の長さが解るの」
そういってふっと笑った。
ああ。そういう事だったのか…
だけどおまえが与えられた恵みは本物だって、オレは少しうらやましく思っている。




FIN.
 

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