カカサス4

□愛するひと
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◇愛するひと◇





オレがまだ小さかった頃、イタチは修行もろくにみてくれずにシスイさんとばかり会っていた。
イタチは知らなかったかもしれないがオレはイタチとシスイさんの事を少し怒っていた。
そしてもうイタチと仲直りしてあげようと思っていた矢先イタチはあの事件を起こしてオレを置いて去って行った。





アカデミーが夏休みに入ってオレは成績表をカカシのところへ持って帰った。
カカシは目を細めてそれを見ていたけどご機嫌そうに「サスケはすごいね。もう中忍にも飛び級できちゃうね」と笑った。
そうか?
もうイタチを追いかけて行けるか?
そうたずねるとムスッとしてパタンと成績表を閉じた。
「サスケの実力は下忍レベルだよ。それも同じ下忍なら体格と経験で勝る大人のほうが強いからね」
さっきと話が違うじゃねぇか。
オレは銀髪を引っ張ってやるんだけどふて腐れたままつんとしているカカシを見ると子供のオレの力はまだ本当に弱くてカカシに効いていないのかもしれない。
それも少し天然パーマの、カカシの銀髪の引っ張ったところが立ったままなのが可笑しくてオレは降参して笑ってしまうのだった。
するとやっとカカシは機嫌を直してオレの髪をなぜた。
「オレを捨てて出て行かないでください…サスケに捨てられたら、オレは50%の確率でアドレナリンが上昇して非情な男になるよ?」
結構高いんだな。
「じゃ、忍犬に捨てられたら?」
「3%くらい」
「低すぎるな」
「だって忍犬に捨てられたってオレは怒らないもの」





サスケの事愛しているから怒るんです…
サスケに捨てられたらオレは怒り狂って非情な男になるよ?
サスケの友達のナルトやサクラにも冷たく当たるよ?
カカシって子供だな。
オレはくすくす笑いながらカカシが愛してると繰り返すのを甘い気持ちで噛みしめていたんだけど、本当に愛してくれてるなら怒らなくていいんじゃないかなんて思ってた。子供だったんだ。
そして密かにもうイタチを追いかけられる実力がついたとうぬぼれていた。





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