カカサス4

□サスケは信じる男の…
1ページ/2ページ

◇サスケは信じる男の…◇





カカシの部屋のインターホンを鳴らすとカカシがドアを開けて「ナルトと飲んできたの?」と詰問した。
「ああ、ボルトの師匠を頼まれたんだ」
「ふーん?」
カカシはオレの髪の匂いを嗅ぎながら「ウイスキーだね」と一人ごちた。
「しかもナルトは酔ったふりをして、間違えたふりをしてサスケのグラスで何回か飲んだね?」
「それって間接チューでしょう」と恨みがましくいうから可笑しかった。
あんたの鼻は相変わらず利くんだな。





布団に入ってからもカカシの説教は続いた。
「男の過ちに気付かないふりをするのはやめなさい。いつか痛い目を見るよ?」
「知ってるだろ?オレは、あいつのドベには勝てねぇんだよ」
「ダンゾウ様の過ちは許さなかったくせに」
カカシは可愛く睨んでいたが思い付いたようにすらすらと語りだした。
今でもカカシの部屋に泊まるとカカシはお話をしてくれる。





七代目ナルトの息子の師匠をサスケは請けるつもりだった。
だがサスケは師匠をやるのは初めてだ。やり方を学ぶために、サスケはこっそり大人〇ライさんに教育を教わることにした。
サスケは根が真面目な子だからだ。
大人〇ライさんというのは大人でも趣味や実技を教えてくれる。
さっそくフリーダイヤルで申し込んだサスケだが。あ、電話はオレの部屋のを使っていたよ。
サスケは「家庭教師のやり方を教わりたい」と申し込んだんだ。
だがああ、オレの部屋に派遣されたのは今までパティシエや柿売りやさんざん転職したあげく家庭教師に落ち着いたゲンマだった。





「ああ、またゲンマなのか」
「他の男を罪におとしいれるのが悪い気がして」





そう。さすがにまたゲンマかとクールなサスケの心拍が上がった。
もしかしたら黒っぽいスーツに淡い色の髪を垂らしたゲンマの姿が今でも美しかったからかもしれない。
ゲンマは、そんなサスケをちらりと見ただけで淡々と「教わりたいのは何だ?」とたずねた。
ゲンマは今は教師だ。押すばかりでなく気付かないふりも相手に好感を持たせることを知っていたんだ。
まるでナルトのようにね。





「こだわるなぁ」
「だってナルトに肩を抱かれて飲んできたでしょう?」
「あいつは誰にでもそうなんだよ?」





「ボルトの師匠を頼まれた。だが、オレは人を教えたことはないんだ」
「おまえの教師で一番おまえの心をつかんだ技は何だ?」
するとサスケの脳裏に鮮やかに浮かぶのだった。クナイの軌道を変えて死角の敵に当てるイタチの技をね。
「そうか、イタチか…」
「だったら軌道を変える技を教えてやれ。ボルトの心もつかむだろう」
ゲンマの話はサスケの胸にしみた。
そうだ。その技は昔サスケが心を込めて尊敬していた技だ。
それは弟子のボルトも気付くことはないだろうがサスケが一番に尊敬しているのはイタチだ。
そしてそのように一番に変態だと思っているのはオレの話でさんざん慣れてしまったせいかゲンマだ。
そのゲンマがいきなり襲ってこず淡々と教育を語るのにサスケは物足りなささえ感じるのだった。





「そんなこと思うかなぁ」
「でもちょっと思ったでしょ?」





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ