カカサス4

□フガクさん/カカシさん
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◇カカシさん◇





※カカシ視点で。





サスケの信頼を得たオレは、自由にサスケの部屋にも出入りできるようになった。
遊んで欲しいのかと思ったら、オレの忍具に興味があるんだよ。
もうそんな年頃なのか。
オレだって人の事はいえないチビの頃から戦っていたけど、平和の時代だもの。
この子にはもうすこし子供でいて欲しかったな…
磨きたてられたそれをずらりと並べてやったら、あの子は子供っぽい、消え入るようなため息をついた。
交換して欲しいのかい?
聞いたらあの子は心を当てられた驚き顔を見せて、ううんとかぶりを振ったけど。
きょうは勇気を振り絞って、オレに交渉したんだ。





あ…あのねカカシさん、おれのクナイはみんな、にいさんからの借り物で、勝手に交換できないの…
うん?
そ、それでね…
あの子は古ぼけた恐竜のぬいぐるみを差し出した…





これはサスケの宝物なの…。これと交換しよう?
うーん。
あまりかわいくないぬいぐるみだねー。
かわいくなくないよっ!
でも…




ためらうようなあの子の黒い瞳を見てオレは心で笑った。
そんなつまらないものと交換する不条理に、やっと気付きましたか?
…これはサスケの大切なものなの。
もったいない…





子供の身勝手さにオレはかわいくて心もとろけそうだった。
実際溶けるような顔で笑ってた。
ぬいぐるみになりたいな。




FIN.
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